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「実はガールフレンドがいるの」──変わる日本社会、いまだ変わらない法律

I Can't Get Married in Japan

2022年7月28日(木)16時43分
テレサ・スティーガー(同性婚法制化を求める原告団の1人)

私たちの子は手続きを経れば日本での在留資格は認められるが、成人になっても選挙権は認められない。スポーツが得意だったとしても、日本国籍がなければ日本代表選手にはなれない。そんなふうに、次々と問題が降り掛かるのではないかと不安になる。

早く結婚を認めてもらおうと闘ってきたが、出産を控えた今は緊急の問題になった。10~20年後ではなく、今すぐ認めてもらわないと困る。

帰国を考えられない理由

前向きに考えようとはしている。今回の判決については、既に大阪高裁に控訴した。他の4カ所(札幌、東京、名古屋、福岡)でも同性婚裁判が進んでいる。

私たちはアメリカの法律では夫婦として認められているが、帰国したいとは思わない。日本での暮らしが好きだし、仕事も好きだ。麻智も自分の仕事が気に入っているし、2人ともいま住んでいる所が好き。友達だっている。ここが私たちの「ホーム(故郷)」だと思っている。

アメリカでは先頃、人工妊娠中絶を憲法上の権利だと認めた1973年のロー対ウェード判決が最高裁で破棄され、中絶を認めるか否かは各州の判断に委ねられることになった。

そんな空気の中で、もし帰国しなくてはいけなくなったら、不安が募るだろう。どの州に住むべきか、どうしたら将来の権利を守れるか、熟考を迫られると思う。

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