最新記事
ビジネス

「アクティビスト(物言う株主)」世界中で動きが活発化...第1四半期はアメリカで46%増

2025年4月2日(水)11時41分
アクティビスト(物言う株主)

アクティビスト(物言う株主)が2025年第1・四半期に世界中の企業に要求した提案件数は前年同期比17%増の70件に上り、米国企業向けは46%増の41件に膨らんだことが英銀行バークレイズの最新データで分かった。写真は2022年6月撮影(2025年 ロイター/Dado Ruvic)

アクティビスト(物言う株主)が2025年第1・四半期に世界中の企業に要求した提案件数は前年同期比17%増の70件に上り、米国企業向けは46%増の41件に膨らんだことが英銀行バークレイズの最新データで分かった。

エリオット・インベストメント・マネジメントやマントル・リッジ、スターボード・バリューといったアクティビストが、英石油大手BPや米配車大手リフトなどに経営変革を迫った。


 

バークレイズの株主アドバイザリー部門グローバル責任者ジム・ロスマン氏は「現在アクティビストはあらゆる不確実性を利用している。前年同期よりも企業との対立が増加したが、合意に至るケースやアクティビストによる取締役ポストの獲得数も増えた」と話した。

こうした背景には、昨年に記録的な数のアクティビストが世界の企業を標的にした流れが今年初めに及んでいることがある。また、トランプ米大統領の高関税政策と連邦職員の大規模リストラ、米景気後退への懸念が重なり、市場が不安定な状況になって、アクティビストが企業に働きかける好機となっている。

要求項目の約4分の1が経営戦略および業務改善に関するもので、この割合は昨年とほぼ同じだ。事業部門の売却や企業売却など企業の合併・買収(M&A)要求は依然、優先順位が低い。世界のM&A件数が過去最高を記録した21年の約半分となっている。

しかしロスマン氏によると、アクティビストは成功も実感している。成功の指標となることが多い取締役ポストの獲得数は約34%増の51に急増した。

こうした動きを受け、先行き不透明であっても収益を上げたい新設ファンドや、これまでアクティビスト活動と一線を画してきたファンドが「新規参入者」となっている。

経営
「体が資本」を企業文化に──100年企業・尾崎建設が挑むウェルビーイング経営
あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

ウクライナ安全保障に欧州主導の平和維持部隊 10カ

ビジネス

米ボストン連銀総裁、FRB利下げ支持も「ぎりぎりの

ビジネス

米NY連銀総裁「FRBは今後の対応態勢整う」、来年

ビジネス

カナダCPI、11月は2.2%上昇で横ばい コアイ
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:教養としてのBL入門
特集:教養としてのBL入門
2025年12月23日号(12/16発売)

実写ドラマのヒットで高まるBL(ボーイズラブ)人気。長きにわたるその歴史と深い背景をひもとく

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦載、海上での実戦試験へ
  • 2
    香港大火災の本当の原因と、世界が目撃した「アジアの宝石」の終焉
  • 3
    【銘柄】資生堂が巨額赤字に転落...その要因と今後の展望。本当にトンネルは抜けたのか?
  • 4
    ミトコンドリア刷新で細胞が若返る可能性...老化関連…
  • 5
    アダルトコンテンツ制作の疑い...英女性がインドネシ…
  • 6
    「なぜ便器に?」62歳の女性が真夜中のトイレで見つ…
  • 7
    トランプが日中の「喧嘩」に口を挟まないもっともな…
  • 8
    「職場での閲覧には注意」一糸まとわぬ姿で鼠蹊部(…
  • 9
    極限の筋力をつくる2つの技術とは?...真の力は「前…
  • 10
    世界の武器ビジネスが過去最高に、日本は増・中国減─…
  • 1
    【衛星画像】南西諸島の日米新軍事拠点 中国の進出を睨み建設急ピッチ
  • 2
    デンマーク国防情報局、初めて米国を「安全保障上の脅威」と明記
  • 3
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だから日本では解決が遠い
  • 4
    【銘柄】資生堂が巨額赤字に転落...その要因と今後の…
  • 5
    【クイズ】「100名の最も偉大な英国人」に唯一選ばれ…
  • 6
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦…
  • 7
    中国軍機の「レーダー照射」は敵対的と、元イタリア…
  • 8
    香港大火災の本当の原因と、世界が目撃した「アジア…
  • 9
    人手不足で広がり始めた、非正規から正規雇用へのキ…
  • 10
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」…
  • 1
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 2
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸送機「C-130」謎の墜落を捉えた「衝撃映像」が拡散
  • 3
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした「信じられない」光景、海外で大きな話題に
  • 4
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR…
  • 5
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価…
  • 6
    「髪形がおかしい...」実写版『モアナ』予告編に批判…
  • 7
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だ…
  • 8
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
  • 9
    インド国産戦闘機に一体何が? ドバイ航空ショーで…
  • 10
    ポルノ依存症になるメカニズムが判明! 絶対やって…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中