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経済制裁

ロシア、インド向け原油輸出で「UAE通貨ディルハム建て決済」を要求

2022年7月19日(火)08時58分
ロシア・オムスクの石油精製所

ロシアは原油輸出先であるインドの一部の顧客に対して、アラブ首長国連邦(UAE)通貨ディルハムでの支払いを求めている。ロシア・オムスクの石油精製所で6月6日撮影(2022年 ロイター/Alexey Malgavko)

ロシアは原油輸出先であるインドの一部の顧客に対して、アラブ首長国連邦(UAE)通貨ディルハムでの支払いを求めている。欧米による経済制裁に直面するロシアが、決済通貨をドル以外に切り替える動きの一環とみられる。3人の関係者の話やインボイス(輸出明細書)で明らかになった。

ロイターが確認したインボイスには、あるインドの精油業者に供給される原油の代金がドル建てで計算され、ディルハム支払いの要求が記されている。

また関係者によると、少なくともインドの精油業者2社は既に一部の代金をディルハムで決済し、数日中に同様の支払いを実行すると付け加えた。ロシア国営石油最大手ロスネフチが利用している商社は今月から、ドル換算した代金をディルハム建てで払うよう求め始めたという。

インドの精油業者は従来、輸送コストが高くつくロシア産原油をほとんど購入してこなかった。ただ欧米の制裁で輸出先が限定されたロシア産原油の価格が急落して中東産や北海産に比べて大幅な割安感が生まれたため、最近になってインドによるロシア産原油の輸入量が跳ね上がっている。

[ロイター]


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