トランプ、半導体めぐりオランダに圧力 狙いは中国への技術流出阻止
米国務長官がオランダ首相に圧力
また、3人の関係者によると、ASMLとしては営業上の理由から輸出を推進する必要に迫られていたものの、ポンペオ国務長官がルッテ首相に直接、製品輸出を阻止するよう促したという。
過去20年間にリソグラフィ市場で圧倒的シェアを誇るようになったASMLは、株式時価総額が1100億ユーロを超え、オランダ産業界の花形である。
ポンペオ国務長官は昨年6月3日、ハーグで記者団に対し「我々が求めているのは、我々の同盟国・友好国が、共通の安全保障上の利益を損なう行動を取らないように、ということだ」と語ったが、半導体製造機器については特に触れなかった。
米国務省にコメントを求めたが、回答は得られていない。
6週間後、ホワイトハウス訪問中のルッテ首相は、情報機関による報告書の写しを与えられた。トランプ米大統領がホワイトハウスでルッテ首相と会談した際に、ASMLの機器輸出問題に触れたかどうか、ロイターでは確認することができなかった。
オランダ外務省が公開している輸出ライセンスに関する一般向けデータベースによれば、ASMLが取得した輸出ライセンスは活用されないまま2019年6月30日に失効。その後、更新申請の通常の審査期間である8週間を経ても、新たなライセンスは付与されていない。
オランダ外務省のイレーネ・ゲリッツェン報道官は、軍民両用テクノロジーの輸出ライセンスについて、オランダ政府は主権国として独自に判断しており、個別の事例についてはコメントしないと話している。
ASMLでは、EUV機器輸出のライセンスの有無にかかわらず、旧世代の機器の輸出が続くことから、2020年には中国向け輸出が拡大すると予想している。
(Alexandra Alper記者, Toby Sterling記者、Stephen Nellis記者、翻訳:エァクレーレン)
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