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テレビを見ないのはまだ子供だから?
家庭を持つとテレビを見る時間は長くなる? Cathal McNaughton-Reuters
<ミレニアル世代とテレビの関係に新研究。ベビーブーム世代と比べて視聴時間が少ないのは「大人になるのが遅い」からだという>
21世紀に入ってから成人し、新しい形の消費の牽引役になっているとされるミレニアル世代。現在20~35歳くらいの彼らは、60歳前後のベビーブーム世代が若いときほどテレビを見ない。しかし、それも変わりつつある。
これはテレビ広告の効果を測定する過程で分かったもの。米大手テレビ局のCBSと調査会社ニールセンカタリーナソリューションズ(NCS)は90年、01年、06年を「基準年」とし、18~24歳、25~34歳、35~39歳による4大ネットワーク(ABC、CBS、NBC、FOX)の視聴動向を調べた。
そこで明らかになったのは、テレビを見る時間は年齢が上がるにつれて長くなること。どの基準年でも、25~34歳の若者は、18~24歳のときよりテレビ視聴時間が平均60%増えた。
ただし昨年に限っては、25~34歳(まさにミレニアル世代)がテレビを見る時間は、18~24歳のときより67%増えていた。
CBSのデービッド・ポルトラック最高研究責任者は、3月20日付の業界誌アドウィークで、ミレニアル世代のテレビ視聴時間の増加が上の世代よりも大きいのは、「大人時代が遅れてやって来る」せいではないかと指摘した。ミレニアル世代は30代になるまで、自分を半分子供だと思っているというのだ。
テレビを見る時間が増えるのは生活がある程度落ち着き、実家を出て、自分の家庭を持つようになってからだと、ポルトラックは言う。「ミレニアル世代は大人の行動パターンを取り始めるのが遅いから、買い物などの消費行動が加速するのも40代や50代にずれ込むだろう」
このトレンドは、若者の実家住まいに関する調査結果とも一致する。それによると現在の18~34歳は、昔の世代よりも実家住まいの人が多い。1880年の調査開始以来、実家住まいが多いのは18~24歳と決まっていた。14年の調査でもその点は同じで50%が実家にいたが、25~29歳でも25%、30~34歳でも13%がそうだった。
ただし、テレビの視聴時間に関しては、「大人時代が遅れてやって来る」だけが理由ではないだろう。ミレニアル世代がスマートフォンやコンピューターなど、テレビより小さな画面を見ている時間は上の世代よりずっと長いだろうから。
ジャニス・ウィリアムズ
[2017年4月18日号掲載]