ロシア疑惑捜査のモラー元FBI長官死去、トランプ氏「うれしい」投稿で物議
ロバート・モラー元連邦捜査局(FBI)長官。2019年7月24日、米首都ワシントンで撮影。REUTERS/Tom Brenner/File Photo
Will Dunham
[ワシントン 21日 ロイター] - 2016年の米大統領選を巡る「ロシア疑惑」を捜査したロバート・モラー元連邦捜査局(FBI)長官が81歳で死去した。2021年まで弁護士として勤務していた法律事務所ウィルマーヘイルが21日に認めた。
モラー氏の死因は伝えられていない。米紙ニューヨーク・タイムズは昨年、モラー氏がパーキンソン病を患っていると報じていた。
ウィルマーヘイルはモラー氏に哀悼の意を示し、21日に発表した声明で「ボブ(モラー氏)は並外れたリーダー、公僕であり、最高の誠実さを備えた人だった」と述べた。
モラー氏は12年にわたってFBI長官を務めて2013年に退任。その4年後に、当時1期目だったトランプ大統領がコミーFBI長官を解任したことを受け、ロシアの選挙介入に関する調査を引き継ぐ特別検察官として公務に復帰した。
ロシア疑惑に関する22カ月の調査を行ったモラー氏は、トランプ氏側近数名やロシアの情報当局者など34人を起訴し、一連の有罪答弁と有罪判決を導いた。ただ、最終的にトランプ氏自身の刑事訴追までには至らず、多くの民主党員を失望させた。
ベトナム戦争に従軍経験のあるモラー氏は、2001年の米同時多発攻撃直前にFBI長官に就任。その後のオバマ政権まで続いた在任期間は、過去最長の48年だったジョン・エドガー・フーバー氏に次ぐ記録となった。
モラー氏はFBI改革に尽力した功績も知られている。当時の議会と政府の独立調査委員会は、FBIと中央情報局(CIA)が同時多発攻撃以前に情報共有を怠っており、共有されていれば攻撃を未然に防止できた可能性があるとの見解を示していた。こうした中でモラー氏は、FBIを従来の法執行機関だけでなく国家安全保障の維持を中核とする組織へと刷新し、テロ対策捜査に多くの資源を投入するとともに、他の政府機関との協力関係を強化した。
一方、トランプ氏は21日に自身のSNSにモラー氏の死去について「良かった。彼が死んでうれしい。彼はもうこれ以上無実の人々を傷付けることはできない」と投稿し、物議を醸している。
トランプ氏はこれまでSNSや演説、報道機関へのコメントなどを通じてモラー氏を激しく非難。モラー氏が政治的動機に基づいた「仕組まれた魔女狩り」を行っている、あるいは自分の周囲を「ならず者」で固めて利益相反を抱えているなどと主張していた。
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