ニュース速報
ワールド

欧州首脳、米の新関税に結束して反対 企業幹部は感情論に警告

2026年01月21日(水)04時38分

写真はスイス・ダボスで開催されている世界経済フォーラム(WEF)で演説する欧州連合(EU)のフォンデアライエン欧州委員長。20日撮影。REUTERS/Denis Balibouse

Paritosh ‍Bansal Michel Rose

[ダボス(スイス) 20日 ロイター‌] - トランプ米大統領が示した新たな関税戦略が各国を揺さぶる中、世界経済フォーラム(WEF)の年次総会(ダボス会議)に集まった欧州各‌国首脳らは、結束して断固​反対の姿勢を表明した。一方、企業幹部らは、グリーンランド問題を巡る感情的な反応に警鐘を鳴らしている。

マクロン仏大統領は、フランスを含む欧州は「力の論理」を黙って受け入れることはしないと表明。「われわれは威圧よりも敬意‌を、残虐さより法の支配を選ぶ」と述べ、トランプ政権が打ち出している関税措置は、特に領土を巡り圧力をかける手段として使われる場合は「根本的に」受け入れられないと語った。

フォンデアライエン欧州委員長はトランプ大統領に直接言及しなかったが、世界の大きな変化に対応する必要性を強調し、変化のスピードと規模が欧州で独立性に関する合意を促したと述べた。

ベルギーのデウェーフェル首相は、EUは「岐路に立っている」とし、「われわれは団結​し、トランプ氏に『一線を越えている』と言うべきだ。⁠われわれは団結するか、分裂するかのどちらかだ」と述べた。

トランプ氏‍は17日、米国がグリーンランドを購入できるようになるまで、欧州8カ国からの輸入品に10%の追加関税をかけると表明した。

ポピュリストや民族主義政党の勢いが強まる中、欧州各国政府は、米国のウクライナ支援を維持しながら関税の脅威にどう対応するかを巡‍り意見が交錯している。

しかし、ダボス会議に出席した銀行幹部‍や企業‌幹部は、トランプ氏の行動に対する欧州首脳の反応は感情‍的なものだと警告し、より現実的な対応を求めている。

そのうち2人は、欧州はトランプ氏のメッセージ発信方法にとらわれず、交渉を行う必要があると提案した。しかし、「彼らはそのスタイルに多大な不快感を抱いているため、そうした会話さえしたくないだろう。欧州⁠大陸は共に動くことなどできない、非常に繊細なバランスの上に成り立っている」(銀行幹部)との声もあった。

欧州諸国は、トラ⁠ンプ大統領の新たな関税提案は米国と昨‍年合意した貿易協定に違反すると主張しており、EU首脳は22日にブリュッセルで開催される緊急首脳会議で報復措置の可能性について協議する予定となっている​。

一方、ベセント米財務長官は、欧州諸国に対し冷静になるよう呼びかけ。「落ち着き、深呼吸して、報復を控えてもらいたい」と述べ、米欧が解決策を見つけ、一部の人々が警告しているような長期の貿易戦争を回避できると自信を示した。

ロイター
Copyright (C) 2026 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

トランプ米大統領、テキサス州で製油所新設計画 印企

ワールド

アングル:革命防衛隊が担ぎ上げたイラン新指導者、本

ワールド

LNGカナダが増産、アジア向け輸出拡大 イラン攻撃

ワールド

豪中銀、来週利上げの見方強まる エコノミストが予想
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:教養としてのミュージカル入門
特集:教養としてのミュージカル入門
2026年3月17日号(3/10発売)

社会と時代を鮮烈に描き出すミュージカル。意外にポリティカルなエンタメの「魔力」を学ぶ

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    ロシア政府、痛恨のミス...プーチンの「健康不安説」を裏付けるような動画を公式に投稿してしまう
  • 2
    メーガン妃、娘リリベット王女との新ショット公開...撮影はパパ
  • 3
    キャサリン皇太子妃、英連邦デー式典に出席...公開された皇太子夫妻の写真が話題に
  • 4
    「日本より、自分の国(フランス)を心配すれば?」…
  • 5
    40年以上ぶり...イスラエル戦闘機「F-35I」が、イラ…
  • 6
    「一日中見てられる...」元プロゴルファー女性の「目…
  • 7
    人間ダンサーを連れて「圧巻のパフォーマンス」...こ…
  • 8
    「このままよりはマシだ」――なぜイランで米軍の攻撃…
  • 9
    ホルムズ海峡封鎖、石油危機より怖い「肥料ショック」
  • 10
    イランがドバイ国際空港にドローン攻撃...爆発の瞬間…
  • 1
    ロシア政府、痛恨のミス...プーチンの「健康不安説」を裏付けるような動画を公式に投稿してしまう
  • 2
    メーガン妃、娘リリベット王女との新ショット公開...撮影はパパ
  • 3
    イラン猛反撃、同士討ちまで起きる防空戦はいつまで続くのか
  • 4
    【長期戦はイラン有利】米側の体制転覆シナリオに暗…
  • 5
    キャサリン皇太子妃、英連邦デー式典に出席...公開さ…
  • 6
    日本の若者「韓国就職」憧れと現実のギャップ ── ビ…
  • 7
    サファリ中の女性に悲劇...ライオンに「くわえ去られ…
  • 8
    日本の保護者は自分と同じ「大卒」の教員に敬意を示…
  • 9
    中国はイランを見捨てた? イランの「同盟国」だっ…
  • 10
    中国、4隻目の空母は原子力艦か──世界3番目の原子力…
  • 1
    ロシア政府、痛恨のミス...プーチンの「健康不安説」を裏付けるような動画を公式に投稿してしまう
  • 2
    ウクライナ戦闘機「F-16」がロシア軍「シャヘド」を空中爆破...地上から撮影の「レア映像」を公開
  • 3
    台湾侵攻「失敗」の大きすぎる代償
  • 4
    「最恐」恐竜T・レックスの定説を覆す新研究が
  • 5
    メーガン妃、娘リリベット王女との新ショット公開...…
  • 6
    見事なカンフーを見せた中国ヒト型ロボットのからく…
  • 7
    アルコールは血糖値を下げる...「脳と血管を守る」医…
  • 8
    「ヘル・コリア」から日本へ7万人 ── 大企業の高給より…
  • 9
    中国、パナマ運河の港湾喪失でパナマに報復──トラン…
  • 10
    日本の若者「韓国就職」憧れと現実のギャップ ── ビ…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中