アングル:観光地や地下鉄駅でも結婚可能に、中国出生率アップ作戦の効果は
11月7日、 新婚旅行先を探していた銀行員のレン・シンシャオさんパートナーは、新疆ウイグル自治区に絶好の景勝地を見つけた。 写真は10月、北京市内の寺院で結婚登記を済ませ、証明書を手にするカップル。REUTERS/Tingshu Wang
Claire Fu Tingshu Wang Josh Arslan
[シンガポール/北京 7日 ロイター] - 新婚旅行先を探していた銀行員のレン・シンシャオさん(30)とパートナーは、新疆ウイグル自治区に絶好の景勝地を見つけた。その場所、賽里木湖(サイラム湖)には婚姻登記所までそろっている。
「それなら、そこで結婚証明書も取ればよくない?そう思った」
賽里木湖は、地元当局が結婚登録する若者の誘致に力を入れている場所のひとつだ。中国は今、結婚率を上げて人口減少を緩和するための取り組みを全土で進めている。
今年5月、中国では居住地に関係なく全国どこでも結婚できるようになった。手続きは簡便化し、結婚式の特別感も増した。
以来、各地の地方自治体は「結婚観光客」の誘致に奔走し、景勝地や音楽フェスティバル、さらには地下鉄駅、ショッピングモール、公園にまで婚姻登記所を設置している。
<結婚率が上昇>
今のところ、この取り組みは成果を上げている。
出生率の指標としても使われる結婚件数は、今年第3・四半期に前年同期比で22.5%増えて161万件となり、ほぼ10年以上続いた年間結婚件数の減少に今年は歯止めがかかる見通しだ。
昨年の結婚件数は20.5%減と過去最大の減少率を記録し、610万件にとどまった。
東部の南京では孔子廟で明代風の式を挙げることができる。南西部の成都では標高3000メートルを超える風光明媚な西嶺雪山に、東部の合肥では地下鉄の「幸福バ(幸福の場所)」駅に、婚姻登記所が開設された。
上海では、結婚登録を行った後にナイトクラブで証明書を受け取ることが可能だ。
北京では、弁護士のワン・ジエイーさん(31)と銀行員のジャン・ヨンチャンさん(33)が護国観音寺で婚姻登記を行った。観音寺は「結婚や出産などの吉事とも結びついていて、幸福と安寧の象徴でもある」とワンさんは語る。
二人は、必ずしも新制度によって結婚が早まったわけではないが、勤務地の北京から故郷の山東省に戻る必要がなくなり、手続きが便利になったと説明した。
<数字の象徴的意味>
レンさんが結婚登録した賽里木湖には、険しい山々と静かな牧草地を求めて観光客が訪れる。しかしカップルにとっての決め手は、湖の地理的な数字に込められた象徴的な意味合いだ。
湖の標高、2073メートルを中国語で発音すると「あなたを深く愛する」とも聞こえる。湖の面積は1314平方キロメートルで、「一生涯」と似た発音だ。新疆ウイグル自治区の首府ウルムチまでの距離は520キロメートルで、これは「愛している」と同じ音になる。
「全ての数字に象徴的な意味があった」とレンさんは語った。
米ウィスコンシン大学マディソン校の人口学者、イー・フーシャン氏は、中国では結婚登録地の制限が撤廃されたことで結婚が容易になったと認めながらも、効果は「短命に終わる」と予想する。
イー氏の試算では、人口減少により20―34歳の女性は2050年までに約半数の5800万人に減る。さらに、世界的な傾向と同じく、若い女性もその親も、結婚より教育や経済的自立を優先するようになるだろうという。
レンさんも、自身は制度変更の有無にかかわらず結婚していただろうと語る。人々の収入が増え、経済的に安心感が高まらない限り結婚率や出生率は上昇しない、というのが彼女の考えだ。
「結婚する予定のなかったカップルが、旅行中に衝動的に結婚を決めるなんてあり得ない」とレンさんは話した。
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