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アングル:家賃値上げ凍結掲げる次期NY市長、不動産業界が対話模索

2025年11月11日(火)18時52分

2025年11月5日、ニューヨークのクイーンズで記者会見するゾーラン・マムダニ次期市長。REUTERS/Kylie Cooper

Matt Tracy

[10日 ロイター] - 4日投開票の米ニューヨーク市長選で、値上げを食い止める「家賃凍結」を公約に掲げたゾーラン・マムダニ候補(民主党、34)が当選したのを受け、ニューヨークの不動産業界はマムダニ氏との対話を模索している。

不動産業界は賃貸アパートの家賃上昇を凍結した場合、所有者が建物を維持・改修する能力を制限し、こうした物件への投資需要を冷やすとの懸念を示している。

ニューヨークおよび全米の低所得者向け住宅の関係者を代表するNPO「全米住宅会議」のデイビッド・ドワーキン代表兼最高経営責任者(CEO)は「次期ニューヨーク市長が成功する最も効果的な方法は、市内で手ごろな価格の住宅を開発・管理する人々と話し合い、『手ごろな価格の住宅に何がさらに必要か?』と問いかけることだ」とし、「当団体にはニューヨーク市で非常に活発に活動し、地元の住宅分野で思想的なリーダーになっている会員がおり、彼らを喜んで紹介する用意がある」と説明した。

NBCニュースの出口調査によると、マムダニ氏の当選は若年層や新規移住者、初めて投票に行く人、賃貸居住者層が大勢投票したことが原動力となった。彼らの多くは米国で最も人口が多く、おそらく物価水準が最も高いニューヨーク市での生活費削減を掲げたマムダニ氏の公約に強く共感した。

ニューヨーク市長は家賃価格に直接的な権限を持たないものの、市の家賃ガイドライン委員会の委員を任命している。同委員会のウェブサイトによると、同委員会は家賃の上限を設定しており、家賃の凍結はこの委員会で実施する必要がある。ニューヨーク市当局のウェブサイトによると、市長は新規住宅開発や他の建物のゾーニングにも影響力を持っており、市の予算を決定する。

しかし、市内の手ごろな価格の住宅および不動産開発業者の大半を代表するニューヨークアパートメント協会のケニー・ブルゴスCEOは、マムダニ氏が家賃ガイドライン委員会の委員9人のうち一部を交代させたとしても、手ごろな住宅の家賃凍結案を承認する可能性は低いと見ていると説明。ブルゴス氏は「委員会はこのデータを分析してきたが、長年にわたって状況は悪化の一途をたどっている」とし、20万戸を超える低所得者向け住宅がコスト上昇によって「実質的に破綻状態」にあるとし、家賃を凍結すれば住宅にとって「致命的な打撃」となると警告した。

家賃ガイドライン委員会の2025年の調査によると、1974年より前に建設された低所得者向け住宅の2023年の平均純営業利益(名目ベース)は20年と比べて9%減。中でも中心部マンハッタン以外の物件は25%超も減った。

ブルゴス氏は「こうしたデータが住宅の苦境とコスト上昇を示しているのに、なぜ今こそ家賃凍結が必要だという結論に至ったのか理解に苦しむ」と語った。家賃ガイドライン委員会はコメント要請に即座に応じなかった。

ビル・デブラシオ前市長は家賃安定化のためにアパートの賃料凍結を進めたものの、現職のエリック・アダムス市長が撤回した。

ニューヨーク市に約1000戸の手ごろな価格のアパートを所有し、さらに800戸を超える新築を計画しているコミュニティ・ビルダーズの不動産開発担当上席副社長のジェシー・バトゥス氏は「次期市長は、家賃凍結と住宅の価格抑制が必ずしも家主を置き去りにすることを意味しないと公言している」とし、「コスト上昇は認識しているが、次期市長が勝者と敗者を選別しようとしている現実は全く見当たらない」と話す。

マムダニ氏は当選後の演説で、200万人を超える家賃規制対象借家人の家賃を凍結すると公約した。マムダニ氏の報道担当者はコメント要請に即座には応じなかった。

一方、業界団体の米不動産協会のデイビッド・ファンク事務局長は、マムダニ氏の政策がニューヨーク市の低所得者向け住宅市場だけでなく、他の商業用不動産事業への投資意欲にも影響を与える可能性があるとして「歴史的に見て、家賃規制は投資の減少をもたらしてきた」と懸念を示した。

一方、ニューヨーク不動産協会のジェームズ・ウィーラン会長は、マムダニ氏と協力して「住宅の価格問題や、他の課題に取り組む」用意があると表明した。

民間商業不動産融資企業、パークビュー・ファイナンシャルの創業者のポール・ラヒミアン最高経営責任者(CEO)は、マムダニ氏との面会機会を歓迎するとして「ニューヨーク市での生活費負担軽減策を共に戦略立案し、最善の実施方法を探りたい」と言及した。

ロイター
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