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ユーロ圏の銀行、気候対策次第で与信条件に差 グリーン企業優遇

2025年11月11日(火)13時23分

欧州中央銀行(ECB)が10日発表したブログ記事で、ユーロ圏の銀行が気候変動対策に積極的な企業により有利な条件で融資を提供しており、汚染企業については融資条件を厳格化していることが分かった。フランクフルトのECB本部、2022年7月撮影(2025年 ロイター/Wolfgang Rattay)

[フランクフルト 10日 ロイター] - 欧州中央銀行(ECB)が10日発表したブログ記事で、ユーロ圏の銀行が気候変動対策に積極的な企業により有利な条件で融資を提供しており、汚染企業については融資条件を厳格化していることが分かった。

ECBは、拘束力のある命令や罰金などさまざまな手段を用いて、銀行に対して気候変動リスクの開示と管理を長年にわたって働きかけてきた。

資本市場が資金調達に広く利用されている米国とは対照的に、欧州経済は投資の多くを銀行融資に依存しているため、気候変動対策によって融資条件を変えているという今回の調査結果は重要な意味を持つ。

ブログはECBが四半期ごとに行う銀行融資サーベイでの回答を分析。「銀行はリスクアセスメントにおいてグリーン企業や移行中の企業に対し『気候ディスカウント』を提供している」と指摘。「一方、排出量の多い企業に対しては『気候変動リスクプレミアム』を課しているようだ」とした。

調査によると、差し引きで銀行の20%が、グリーン企業に対して与信基準を緩和すると回答。13%は、移行期にある企業に対しても同じことを行うと回答した。一方、高排出企業への融資条件を厳しくするとの回答は35%だった。

ロイター
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