コンテナ船会社、米中関税引き下げを歓迎 輸送量回復に期待

5月12日、コンテナ輸送業界は、米国と中国が一時的な関税引き下げで合意したことを歓迎し、中国から米国への予約が回復するとの見方を示した。写真は米カリフォルニア州のオークランド港(2025年 ロイター/Carlos Barria)
[ベルリン/ロサンゼルス 12日 ロイター] - コンテナ輸送業界は12日、米国と中国が一時的な関税引き下げで合意したことを歓迎し、中国から米国への予約が回復するとの見方を示した。
米中は同日、相互に発動した関税率を115%ポイント引き下げることで合意したと発表した。今後90日間、米国が中国からの輸入品に課す関税率は30%、中国が米からの輸入品に課す関税は10%となる。
今回の措置が米国向けの大幅な出荷回復につながるかどうかはまだ不透明だ。
中国からの海上輸送の最大の玄関口であるロサンゼルス港のジーン・セロカ港湾局長は「両国が協議を始め、(関税率が)高水準から引き下げられたことを歓迎する」と述べた。ただ、中国に対する30%の関税は依然としてトランプ大統領就任前より大幅に高いとも指摘した。
医療品など重要物資の輸入業者は供給が不足していれば製品を急いで仕入れる可能性がある一方、他の輸入業者は様子見姿勢を取るかもしれないと述べた。
ドイツのコンテナ船会社ハパック・ロイドは中国から米国への予約が増加するとの見方を示した。
価格プラットフォームXenetaのチーフアナリスト、ピーター・サンド氏は、太平洋横断貨物の平均輸送日数は22日のため、顧客は90日間という好機を捉え、できるだけ多くの商品を米国に輸送しようとすると予想。「運賃に上昇圧力がかかるだろう」と述べた。