外国人に対するインドの魅力、パキスタンとの衝突でも低下は限定的=市場関係者

インド・パキスタン間で攻撃の応酬が勃発したことで、当面は外国人投資家に対するインド市場の魅力に陰りが出る可能性はあるが、大きな影響には至らない――。投資家やアナリストは7日、こうした見方を示した。写真はムンバイで2023年2月撮影(2025年 ロイター/Niharika Kulkarni)
[ムンバイ 7日 ロイター] - インド・パキスタン間で攻撃の応酬が勃発したことで、当面は外国人投資家に対するインド市場の魅力に陰りが出る可能性はあるが、大きな影響には至らない――。投資家やアナリストは7日、こうした見方を示した。
世界経済が混乱する中、インドは安全な逃避先としての魅力を外国人投資家に訴えてきた。
インドとパキスタンの直接貿易は限られた規模にとどまる。インド軍は7日、パキスタンをミサイルで空爆したが、全面戦争は避けられるとの見方から、インドの株、通貨、債券市場にはほとんど影響が出ていない。
シティバンクのアナリストチームは同日のノートで、パキスタンや中国との過去の衝突もインド資産に継続的な影響をもたらさなかったと指摘した。
トランプ米大統領が貿易相手国に対する高率の関税を発表して以降、インド市場はかえって堅調に推移している。
ジェイナス・ヘンダーソン・インベスターズのポートフォリオマネジャー、サット・ドゥーラ氏は「インド市場はトランプ関税からある程度隔離されると認識され、他市場をアウトパフォームし始めた。国内消費が強い上、中央銀行が金融緩和の明確なシグナルを発しているからだ」と説明。「最近の出来事を見て外国人投資家は手を引きそうだ」としながらも、国内の投資フローが根強く続き、相場を支えると予想した。
インドは主要国の中で最も高い成長率を続ける見通しで、インド準備銀行(中央銀行)は今年度の同国の成長率を6.5%と予想している。米政府が「相互関税」を発表した4月初め以来、インド株は世界の主要市場の中で屈指の堅調さを示し、主要株価指数のNSE指数は4.6%上昇した。
アラブ首長国連邦(UAE)の資産運用会社、NAVキャピタルは、パキスタンとの紛争によって目先は外国人の投資フローが鈍るかもしれないが、紛争がエスカレートし続けない限り、外国人は投資を続けるとの見方を示した。
インド政府高官の1人は、パキスタンと国境を接するのはインドの北部と西部だが、外国からの投資が集中する製造業の拠点は南部と中央部にあると強調した。