ニュース速報
ワールド

ネタニヤフ氏に内外から強まる反発、ガザ停戦交渉進展なしで

2024年08月06日(火)09時21分

イスラエルのネタニヤフ首相がパレスチナ自治区ガザでの停戦に向けた交渉を進展させられないことを巡り、国内外から反発の声が強まっている。3人のイスラエル政府高官が明らかにした。写真はテルアビブで7月に行われた、ネタニヤフ政権に抗議し人質解放を求めるデモで撮影(2024年 ロイター/Ricardo Moraes)

[エルサレム 5日 ロイター] - イスラエルのネタニヤフ首相がパレスチナ自治区ガザでの停戦に向けた交渉を進展させられないことを巡り、国内外から反発の声が強まっている。3人のイスラエル政府高官が明らかにした。

ネタニヤフ氏と安全保障部門首脳の間で、停戦について意見が対立していることも表面化。3人の政府高官は、政治問題によって停戦合意のチャンスが損なわれつつあるとの懸念を示している。

高官の1人は4日ロイターに「首相は停戦に関する決断を避け、全力で交渉を進めていないように感じる」と語った。

ネタニヤフ氏は、ガザになお拘束されている人質115人の解放が最優先だと繰り返しているが、イスラエルの安全保障を維持しなければならないとも強調している。

こうした中で複数の関係者は、停戦交渉はイスラエル側が新たに提示した条件が難航の一因になっていると指摘した。その条件とは、ガザ北部に居住していたパレスチナ人の帰還に際して必ずイスラエルによるチェックを義務化するという内容だ。

地元テレビ局「N12」によると、ガラント国防相はネタニヤフ氏に対して、この新たな条件によって停戦合意が不可能になっているとの見方を伝えたという。

ガラント氏やハレビ参謀総長は、これまでの戦闘でイスラム組織ハマスは弱体化しており、停戦で生じる問題には対処できるし、何より停戦合意を通じて人質を解放することが重要だと発言。これに対してネタニヤフ氏は、イスラエルの安全保障を停戦の「譲れない一線」と主張している。

停戦交渉に関してはネタニヤフ氏がバイデン米大統領との電話会談で、進展していると説明すると、バイデン氏が「でたらめを言うな」と憤まんをぶつけたとも報じられている。

ロイター
Copyright (C) 2024 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

トランプ米大統領、日韓などアジア歴訪 中国と「ディ

ビジネス

ムーディーズ、フランスの見通し「ネガティブ」に修正

ワールド

米国、コロンビア大統領に制裁 麻薬対策せずと非難

ワールド

再送-タイのシリキット王太后が93歳で死去、王室に
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:脳寿命を延ばす20の習慣
特集:脳寿命を延ばす20の習慣
2025年10月28日号(10/21発売)

高齢者医療専門家の和田秀樹医師が説く――脳の健康を保ち、認知症を予防する日々の行動と心がけ

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    中国レアアース輸出規制強化...代替調達先に浮上した国は?
  • 2
    シンガポール、南シナ海の防衛強化へ自国建造の多任務戦闘艦を進水 
  • 3
    「信じられない...」レストランで泣いている女性の元に現れた「1羽の野鳥」が取った「まさかの行動」にSNS涙
  • 4
    超大物俳優、地下鉄移動も「完璧な溶け込み具合」...…
  • 5
    熊本、東京、千葉...で相次ぐ懸念 「土地の買収=水…
  • 6
    「宇宙人の乗り物」が太陽系内に...? Xデーは10月2…
  • 7
    為替は先が読みにくい?「ドル以外」に目を向けると…
  • 8
    メーガン妃の「お尻」に手を伸ばすヘンリー王子、注…
  • 9
    アメリカの現状に「重なりすぎて怖い」...映画『ワン…
  • 10
    英国で「パブ離れ」が深刻化、閉店ペースが加速...苦…
  • 1
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」はどこ?
  • 2
    今年、記録的な数の「中国の飲食店」が進出した国
  • 3
    1000人以上の女性と関係...英アンドルー王子、「称号返上を表明」も消えない生々しすぎる「罪状」
  • 4
    【クイズ】日本でツキノワグマの出没件数が「最も多…
  • 5
    超大物俳優、地下鉄移動も「完璧な溶け込み具合」...…
  • 6
    【クイズ】1位は「蚊」...世界で「2番目に」人間を殺…
  • 7
    中国レアアース輸出規制強化...代替調達先に浮上した…
  • 8
    報じられなかった中国人の「美談」
  • 9
    【2025年最新版】世界航空戦力TOP3...アメリカ・ロシ…
  • 10
    本当は「不健康な朝食」だった...専門家が警告する「…
  • 1
    かばんの中身を見れば一発でわかる!「認知症になりやすい人」が持ち歩く5つのアイテム
  • 2
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」はどこ?
  • 3
    「大谷翔平の唯一の欠点は...」ドジャース・ロバーツ監督が明かすプレーオフ戦略、監督の意外な「日本的な一面」とは?
  • 4
    1000人以上の女性と関係...英アンドルー王子、「称号…
  • 5
    増加する「子どもを外注」する親たち...ネオ・ネグレ…
  • 6
    悲しみで8年間「羽をむしり続けた」オウム...新たな…
  • 7
    バフェット指数が異常値──アメリカ株に「数世代で最…
  • 8
    「日本の高齢化率は世界2位」→ダントツの1位は超意外…
  • 9
    お腹の脂肪を減らす「8つのヒント」とは?...食事以…
  • 10
    【クイズ】日本でツキノワグマの出没件数が「最も多…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中