フランス、今年の財政赤字予想を悪化方向に修正 歳出追加削減へ
4月10日、フランス財務省は、2024年の財政赤字の対国内総生産(GDP)比が5.1%に達するとの見通しを示した。写真はユーロ紙幣。ボスニア・ヘルツェゴビナのゼニツァで2022年7月撮影(2024 ロイター/Dado Ruvic)
Michel Rose
[パリ 10日 ロイター] - フランス財務省は10日、2024年の財政赤字の対国内総生産(GDP)比が5.1%に達するとの見通しを示した。従来の4.4%から赤字が拡大する方向に予想を修正した。
昨年の財政赤字が目標よりも大幅に悪化したことを受けて、欧州連合(EU)への財政赤字縮小策の提出を控えた政府が向こう数年間の見通しを改めた。
予想通りなら、今年の財政赤字のGDP比は欧州連合(EU)が定める3%の上限を、昨年に続き2年連続で上回る。25年には4.1%に下がり、27年には2.9%となって3%の上限を下回ると見込んでいる。
財務省当局者によると、政府は既に今年に入って100億ユーロ規模の緊急歳出カットを発表しており、年内に歳出をさらに100億ユーロを減らす計画。
フランスは財政収支が慢性的に赤字で、1974年を最後に黒字化したことがない。近年は成長の鈍化、金利の上昇、新型コロナウイルスのパンデミック後の財政出動などが重なり、財政赤字のGDP比はEUの上限である3%を上回った。