米国で白人と非白人の資産格差さらに拡大=NY連銀調査
2月7日、米国では2019年初めから23年第3・四半期までの間に白人と非白人の資産格差がさらに広がった――。ニューヨーク連銀の調査でこうした実態が明らかになった。ニュージャージー州ウィーホーケンで1月10日撮影(2024年 ロイター/Eduardo Munoz)
Howard Schneider
[ワシントン 7日 ロイター] - 米国では2019年初めから23年第3・四半期までの間に白人と非白人の資産格差がさらに広がった――。ニューヨーク連銀の調査でこうした実態が明らかになった。
ニューヨーク連銀は、米連邦準備理事会(FRB)が集めた各世帯の金融・不動産資産や住宅ローンなどの債務に関する情報を分析し、物価調整後の実質資産を算出した。
それによると23年第3・四半期時点で、白人世帯の純資産は19年初めから28%増えた一方、中南米系の世帯は20%増にとどまった。黒人世帯はむしろ1.5%減少し、新型コロナウイルスのパンデミック発生前よりも貧しくなった形だ。
同連銀の調査担当者はこうした結果について、保有する金融資産の価値の変化が影響しており、相対的に株式保有額の大きい白人世帯がより高い資産効果を得たようだとの見方を示した。
各人種グループとも、パンデミックの最悪期に比べると純資産は増えているが、その後はインフレと金融市場の低迷で黒人世帯が最も打撃を受けたという。
今回の調査からは、パンデミック中に財政支援措置が提供されたものの、それらが主要人種グループ間の資産配分に持続的な効果をもたらさなかったことも読み取れる。