ソブリン格付け手法見直しを、インド政府顧問 先進国偏重を批判
インド政府の首席経済顧問を務めるV・アナンサ・ナゲスワラン氏は21日公表の論文で、格付け会社のソブリン格付けの手法が先進国に偏重しているとし、見直しを呼びかけた。写真は2017年6月撮影(2023年 ロイター/THOMAS WHITE)
[ニューデリー 21日 ロイター] - インド政府の首席経済顧問を務めるV・アナンサ・ナゲスワラン氏は21日公表の論文で、格付け会社のソブリン格付けの手法が先進国に偏重しているとし、見直しを呼びかけた。
論文はまた、各国が格付けの改善に向け適切な行動が講じられるよう、格付け会社が手法を共有する必要があるとも指摘。「マクロ経済要因が改善しても、質的要因を改善する必要があると判断されている場合は、信用格付けにとってほぼ何の意味もなさない」とした。
ナゲスワラン氏と共著者でインド政府上級顧問のラジブ・ミシュラ氏は、信用度を評価する方法論が曖昧ならば「差別的な意図への疑念を生じさせる」危険性があると指摘。途上国は、先進国よりも緩やかな経済収縮にとどまっているにもかかわらず、格下げの95%強を占めているという。
インドの格付けは過去15年間「BBBマイナス」にとどまったが、その間に経済規模は2008年時点の世界12位から第5位にまで成長したと説明した。
フィッチ・レーティングス、ムーディーズ、S&Pグローバル・レーティングの3大格付け会社からコメントは得られていない。