イスラエル、ガザ地上作戦拡大 政府報道官「ハマスは代償払う」
イスラエル軍のハガリ主席報道官は、イスラエル空軍と地上軍によるイスラム組織ハマスが実効支配するパレスチナ自治区ガザへの作戦を拡大すると表明した。27日、イスラエル・ガザ境界線付近で撮影(2023年 ロイター/REUTERS TV via REUTERS)
[エルサレム 27日 ロイター] - イスラエル軍のハガリ主席報道官は27日、イスラエル空軍と地上軍によるイスラム組織ハマスが実効支配するパレスチナ自治区ガザへの作戦を拡大すると表明した。
ハガリ氏はテレビ放映された記者会見で「過去数時間でガザでの攻撃を強化した」とし、空軍がトンネルやその他のインフラに対し大規模な攻撃を行っていると明らかにした。
「ここ数日間に実施した攻撃に加え、地上部隊が今夜作戦を拡大している」と述べ、ガザへの地上侵攻が始まる可能性があるのではないかという疑問も広がっている。
イスラエルのレゲフ政府報道官も、イスラエルがハマスに対する圧力を強めており、軍事作戦が現在進行中と述べた。
FOXニュースに対し「ハマスの軍事組織とガザの政治構造が解体されるまで、ハマスはわれわれの軍事的打撃を受け続ける。これが終わったときは、ガザは大きく変わるだろう」と語ったほか、MSNBCのインタビューに対し、ハマスは人道に対する犯罪の代償を払うことになると述べた。
イスラエル軍のハガリ報道官はさらに、イスラエル軍はイスラエルの安全を守るためにあらゆる面で準備していると述べ、ガザ市の住民に南に避難するよう呼びかけた。
地元の通信社などによると、ガザではインターネットと携帯電話の接続が遮断されている。
米ホワイトハウス国家安全保障会議(NSC)のカービー戦略広報調整官は、イスラエルが地上作戦を拡大しているという報道を認識しているとしつつも、コメントは控えた。
同時に、ガザ市民への人道支援物資や燃料、電力を供給するため、ガザにおけるイスラエルの軍事作戦一時停止を支持しているという認識を示したほか、ハマスに拘束されている200人超の人質を救出のために局地的な戦闘の一時停止が必要であれば、米国は支持するとも述べた。
米国やアラブ諸国は、民間人の犠牲が増えるほか、紛争拡大につながるおそれがあるとし、イスラエルによるガザ地上侵攻延期を要請している。
ヨルダンのサファディ外相は27日、イスラエルがガザへの地上侵攻を開始すれば、「甚大な人道的大惨事」になると警鐘を鳴らした。