ニュース速報
ワールド

イスラエル、ガザ地上作戦拡大 政府報道官「ハマスは代償払う」

2023年10月28日(土)05時16分

イスラエル軍のハガリ主席報道官は、イスラエル空軍と地上軍によるイスラム組織ハマスが実効支配するパレスチナ自治区ガザへの作戦を拡大すると表明した。27日、イスラエル・ガザ境界線付近で撮影(2023年 ロイター/REUTERS TV via REUTERS)

[エルサレム 27日 ロイター] - イスラエル軍のハガリ主席報道官は27日、イスラエル空軍と地上軍によるイスラム組織ハマスが実効支配するパレスチナ自治区ガザへの作戦を拡大すると表明した。

ハガリ氏はテレビ放映された記者会見で「過去数時間でガザでの攻撃を強化した」とし、空軍がトンネルやその他のインフラに対し大規模な攻撃を行っていると明らかにした。

「ここ数日間に実施した攻撃に加え、地上部隊が今夜作戦を拡大している」と述べ、ガザへの地上侵攻が始まる可能性があるのではないかという疑問も広がっている。

イスラエルのレゲフ政府報道官も、イスラエルがハマスに対する圧力を強めており、軍事作戦が現在進行中と述べた。

FOXニュースに対し「ハマスの軍事組織とガザの政治構造が解体されるまで、ハマスはわれわれの軍事的打撃を受け続ける。これが終わったときは、ガザは大きく変わるだろう」と語ったほか、MSNBCのインタビューに対し、ハマスは人道に対する犯罪の代償を払うことになると述べた。

イスラエル軍のハガリ報道官はさらに、イスラエル軍はイスラエルの安全を守るためにあらゆる面で準備していると述べ、ガザ市の住民に南に避難するよう呼びかけた。

地元の通信社などによると、ガザではインターネットと携帯電話の接続が遮断されている。

米ホワイトハウス国家安全保障会議(NSC)のカービー戦略広報調整官は、イスラエルが地上作戦を拡大しているという報道を認識しているとしつつも、コメントは控えた。

同時に、ガザ市民への人道支援物資や燃料、電力を供給するため、ガザにおけるイスラエルの軍事作戦一時停止を支持しているという認識を示したほか、ハマスに拘束されている200人超の人質を救出のために局地的な戦闘の一時停止が必要であれば、米国は支持するとも述べた。

米国やアラブ諸国は、民間人の犠牲が増えるほか、紛争拡大につながるおそれがあるとし、イスラエルによるガザ地上侵攻延期を要請している。

ヨルダンのサファディ外相は27日、イスラエルがガザへの地上侵攻を開始すれば、「甚大な人道的大惨事」になると警鐘を鳴らした。

ロイター
Copyright (C) 2023 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

最新のガザ提案、「全目標達成可能に」とイスラエル当

ワールド

ロシアとベラルーシ、戦術核演習の第2段階開始

ワールド

マラウイ副大統領搭乗の軍用機発見、全員死亡

ワールド

ドイツ・ウクライナ財務省、戦後復興支援の共同宣言に
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:姿なき侵略者 中国
特集:姿なき侵略者 中国
2024年6月18日号(6/11発売)

アメリカの「裏庭」カリブ海のリゾート地やニューヨークで影響力工作を拡大する中国の深謀遠慮

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    早期定年を迎える自衛官「まだまだやれると思っていた...」55歳退官で年収750万円が200万円に激減の現実

  • 2

    「クマvsワニ」を川で激撮...衝撃の対決シーンも一瞬で決着 「圧倒的勝者」はどっち?

  • 3

    ヨルダン・ラジワ皇太子妃が妊娠発表後、初めて公の場へ...義父・国王の「シルバー・ジュビリー」に出席

  • 4

    認知症の予防や脳の老化防止に効果的な食材は何か...…

  • 5

    たった1日10分の筋トレが人生を変える...大人になっ…

  • 6

    堅い「甲羅」がご自慢のロシア亀戦車...兵士の「うっ…

  • 7

    イスラエルに根付く「被害者意識」は、なぜ国際社会…

  • 8

    カラスは「数を声に出して数えられる」ことが明らか…

  • 9

    ヨルダン・ラジワ皇太子妃の「マタニティ姿」が美しす…

  • 10

    ラスベガスで目撃された「宇宙人」の正体とは? 驚愕…

  • 1

    「世界最年少の王妃」ブータンのジェツン・ペマ王妃が34歳の誕生日を愛娘と祝う...公式写真が話題に

  • 2

    ラスベガスで目撃された「宇宙人」の正体とは? 驚愕の映像が話題に

  • 3

    我先にと逃げ出す兵士たち...ブラッドレー歩兵戦闘車が、平原進むロシアの装甲車2台を「爆破」する決定的瞬間

  • 4

    認知症の予防や脳の老化防止に効果的な食材は何か...…

  • 5

    カラスは「数を声に出して数えられる」ことが明らか…

  • 6

    早期定年を迎える自衛官「まだまだやれると思ってい…

  • 7

    堅い「甲羅」がご自慢のロシア亀戦車...兵士の「うっ…

  • 8

    アメリカで話題、意識高い系へのカウンター「贅沢品…

  • 9

    「クマvsワニ」を川で激撮...衝撃の対決シーンも一瞬…

  • 10

    ウクライナ軍ブラッドレー歩兵戦闘車の強力な射撃を…

  • 1

    ラスベガスで目撃された「宇宙人」の正体とは? 驚愕の映像が話題に

  • 2

    半裸でハマスに連れ去られた女性は骸骨で発見された──イスラエル人人質

  • 3

    ウクライナ水上ドローンが、ヘリからの機銃掃射を「回避」してロシア黒海艦隊に突撃する緊迫の瞬間

  • 4

    「世界最年少の王妃」ブータンのジェツン・ペマ王妃が…

  • 5

    EVが売れると自転車が爆発する...EV大国の中国で次々…

  • 6

    ヨルダン・ラジワ皇太子妃の「マタニティ姿」が美しす…

  • 7

    立ち上る火柱、転がる犠牲者、ロシアの軍用車両10両…

  • 8

    ロシアの「亀戦車」、次々と地雷を踏んで「連続爆発…

  • 9

    我先にと逃げ出す兵士たち...ブラッドレー歩兵戦闘車…

  • 10

    認知症の予防や脳の老化防止に効果的な食材は何か...…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中