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豪CPI、8月は前年比+5.2% 利上げ停止観測強まる

2023年09月27日(水)14時38分

 9月27日、オーストラリア統計局が発表した8月の消費者物価指数(CPI)上昇率は前年比5.2%と、7月の4.9%から加速した。写真はシドニーのショッピングモールで2018年9月撮影(2023年 ロイター/David Gray)

Stella Qiu

[シドニー 27日 ロイター] - オーストラリア統計局が27日発表した8月の消費者物価指数(CPI)上昇率は前年比5.2%と、7月の4.9%から加速した。燃料価格の上昇が要因。ただ市場予想と一致し、直ちに追加利上げが必要になる可能性はなさそうだ。

豪ドルは小動き。3年物国債利回りは3ベーシスポイント低下の4.029%。

市場では豪中央銀行が来月に4会合連続で金利を据え置くとの確率が87%から92%に上昇。来年5月までにあともう1回利上げが実施される可能性は引き続き高いと見られている。

CPIは前月比では0.6%上昇し、7月の0.3%上昇から加速した。

注目される変動要因と旅行を除いたCPIは前年比5.5%上昇で、前月の5.8%上昇から鈍化した。

IGのアナリスト、トニー・シカモア氏は、今回の指標で10月の中銀会合見通しは変わらないとしつつ、9月の雇用統計と第3・四半期のインフレ指標次第で11月に利上げがあるか、年末まで金利が据え置かれるか決まるとの見方を示した。

ムーディーズ・アナリティクスのエコノミスト、ハリー・マーフィー・クルーズ氏は「インフレの鈍化傾向が止まったが、インフレが再び進行していると判断するのは時期尚早だ。サービス価格は上昇しているが、モノの価格は急速に鈍化している」と述べた。

コモンウェルス銀行のエコノミスト、スティーブン・ウー氏は「8月のインフレ加速は昨年12月以降の鈍化基調の中での一時的な上昇だろう」と述べた。

ただ、一部のエコノミストは年内にあと1回の利上げがあると予想。第3・四半期のインフレ統計発表後の11月に利上げがあるのではないかと指摘している。

8月は燃料価格が前年比13.9%上昇し、2022年11月以来の大幅な伸びとなった。電気料金も12.7%上昇と、引き続き大幅に伸びた。

保険価格の伸び率は前月の8.5%から8.8%に拡大。家賃の伸び率も7.6%から7.8%に上昇。高水準のサービスインフレが続きそうだ。

ロイター
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