ニュース速報

ワールド

豪小売売上高、2月は前月比+0.2%に鈍化 消費者が支出抑制

2023年03月28日(火)13時20分

 3月28日、オーストラリア統計局が発表した2月の小売売上高は前月比0.2%の伸びにとどまった。写真はシドニーのショッピングモールで2018年2月撮影(2023年 ロイター/Daniel Munoz)

[シドニー 28日 ロイター] - オーストラリア統計局が28日発表した2月の小売売上高は前月比0.2%の伸びにとどまった。1月の1.8%増(改定値)から鈍化し、生活コストや金利が上昇する中、消費者が支出を抑制していることが示された。

市場予想の0.1%増は小幅に上回った。これを受け、豪ドルは0.3%上昇し、0.6673米ドルを付けた。

前年比では6.4%増加した。ただ、統計ではインフレ調整後の支出が減少しており、消費者の支出手控えが鮮明になっている。

統計局の小売り統計責任者、ベン・ドーバー氏は「平均して、小売り支出は2022年末から新年を迎えるまで横ばいで推移している」と述べた。

コモンウェルス銀行のエコノミスト、ベリンダ・アレン氏は、今後数カ月は利上げの効果が引き続き強まり個人消費がさらに鈍化すると予測。「実質賃金の伸びがマイナスとなっていることもあり、家計の可処分所得に影響が出るだろう」と述べた。

最近の一部指標が堅調な内容を示す一方、小売り統計は軟調となり、経済状況を見極める上で、オーストラリア準備銀行(中央銀行)に強弱まちまちの材料を提供している。

中銀は4月の理事会では利上げ停止を検討すると表明している。

29日発表のインフレ指標が注目される。

市場は追加利上げを織り込んでおらず、年内の利下げの可能性も予測している。

ただ多くのアナリストは少なくともあと1回の利上げがあると予想。一部のアナリストは4月の利上げを見送り5月に利上げを実施する可能性を指摘している。

ロイター
Copyright (C) 2023 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

米金利先物、9月利下げ確率60%に小幅上昇 PCE

ビジネス

ドル34年ぶり157円台へ上昇、日銀の現状維持や米

ワールド

米中外相会談、ロシア支援に米懸念表明 マイナス要因

ビジネス

米PCE価格指数、3月前月比+0.3%・前年比+2
MAGAZINE
特集:世界が愛した日本アニメ30
特集:世界が愛した日本アニメ30
2024年4月30日/2024年5月 7日号(4/23発売)

『AKIRA』からジブリ、『鬼滅の刃』まで、日本アニメは今や世界でより消費されている

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士が教えるスナック菓子を控えるよりも美容と健康に大事なこと

  • 2

    「すごい胸でごめんなさい」容姿と演技を酷評された米女優、「過激衣装」写真での切り返しに称賛集まる

  • 3

    中国の最新鋭ステルス爆撃機H20は「恐れるに足らず」──米国防総省

  • 4

    タトゥーだけではなかった...バイキングが行っていた…

  • 5

    アカデミー賞監督の「英語スピーチ格差」を考える

  • 6

    大谷選手は被害者だけど「失格」...日本人の弱点は「…

  • 7

    今だからこそ観るべき? インバウンドで増えるK-POP…

  • 8

    19世紀イタリア、全世界を巻き込んだ論争『エドガル…

  • 9

    「性的」批判を一蹴 ローリング・ストーンズMVで妖…

  • 10

    「鳥山明ワールド」は永遠に...世界を魅了した漫画家…

  • 1

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士が教えるスナック菓子を控えるよりも美容と健康に大事なこと

  • 2

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価」されていると言える理由

  • 3

    タトゥーだけではなかった...バイキングが行っていた「身体改造」の実態...出土した「遺骨」で初の発見

  • 4

    「世界中の全機が要注意」...ボーイング内部告発者の…

  • 5

    医学博士で管理栄養士『100年栄養』の著者が警鐘を鳴…

  • 6

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…

  • 7

    ハーバード大学で150年以上教えられる作文術「オレオ…

  • 8

    「たった1日で1年分」の異常豪雨...「砂漠の地」ドバ…

  • 9

    NewJeans日本デビュー目前に赤信号 所属事務所に親…

  • 10

    「すごい胸でごめんなさい」容姿と演技を酷評された…

  • 1

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 2

    ロシアの迫撃砲RBU6000「スメルチ2」、爆発・炎上の瞬間映像をウクライナ軍が公開...ドネツク州で激戦続く

  • 3

    バルチック艦隊、自国の船をミサイル「誤爆」で撃沈する動画...「吹き飛ばされた」と遺族(ロシア報道)

  • 4

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…

  • 5

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士…

  • 6

    人から褒められた時、どう返事してますか? ブッダが…

  • 7

    ロシアが前線に投入した地上戦闘ロボットをウクライ…

  • 8

    「燃料気化爆弾」搭載ドローンがロシア軍拠点に突入…

  • 9

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価…

  • 10

    1500年前の中国の皇帝・武帝の「顔」、DNAから復元に…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中