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CFTC、現物の仮想通貨取引への監督業務拡張も検討=委員
米上院の共和党と民主党の議員2人が7日、商品先物取引委員会(CFTC)を暗号資産(仮想通貨)の主な監督当局にする法案を提案したことに関し、CFTCのサマー・マーシンガー委員は同日、仮想通貨業界と議会とが同委員会を中心的な監督役に据えるよう動いていると認めた。(2022年 ロイター/Dado Ruvic)
[ヒューストン 8日 ロイター] - 米上院の共和党と民主党の議員2人が7日、商品先物取引委員会(CFTC)を暗号資産(仮想通貨)の主な監督当局にする法案を提案したことに関し、CFTCのサマー・マーシンガー委員は同日、仮想通貨業界と議会とが同委員会を中心的な監督役に据えるよう動いていると認めた。ロイターが主催したテキサス州ヒューストンでのコモディティー業界会合の傍らで語った。
マーシンガー氏は、CFTCが既に仮想通貨を巡って考えられる役割を独自に研究し始めていると表明。CFTCにも仮想通貨の現物取引のような分野に監督業務を広げることができたかもしれないとの観点から、事務方がそうした現物取引監督の可能性を検討しているとした。
同氏は「われわれは強い規制当局だが、CFTCへの登録業者たちには柔軟性も担保されている」と指摘。「登録業者たちは、他の一部の金融規制当局のようなトップダウンのやり方でなく、(CFTCのような)こうしたアプローチに強く関心を持ってきた」と自賛した。
ただ同氏は、CFTCが歴史的な経緯からこれまで現物市場を監督したことがなく、この研究は暫定的なものだとの慎重な姿勢も示した。
マーシンガー氏はこれとは別に、二酸化炭素排出量取引の規制業務の可能性にも言及。「われわれはこの監督権限を持っていないが、関心がある」と述べた。排出量取引は現在、おおむね業界の自主規制に頼っている。同氏は検討が必要な点として、現状の自主的な業界が適切に機能するにはどんな改革が必要になるかという論点を挙げた。
同氏は業界との対話の必要性という点で2020年の事例を指摘した。当時、ニューヨーク原油先物相場が暴落して初めてマイナスで取引を終えた際、背景にあったのはコロナ禍拡大による原油需要急減への懸念で、そのため在庫が急増し貯蔵能力が限界に近づいたと見なされたことだった。マーシンガー氏によると、CFTCは貯蔵能力リスクへの警告を出していたが、きちんと受け止める人が十分にいなかった。
同氏は、この件から得られた教訓は、CFTC内部でのより広い協調の必要性に加え、清算条件を巡る取引所や取引業者との協議の必要性だったと指摘した。