ニュース速報

ワールド

サル痘「封じ込め可能」、WHO見解 欧州でワクチン使用の動き

2022年05月25日(水)18時29分

 5月24日、世界保健機関(WHO)は、サル痘の今回の流行はまれな現象だが、「封じ込めが可能」であり、流行は限定的との見解を示した。23日撮影(2022年 ロイター/Dado Ruvic)

[ジュネーブ 24日 ロイター] - 世界保健機関(WHO)は24日、アフリカ以外でサル痘の感染拡大が報告されていることについて、まれな現象だが「封じ込めは可能」との見解を示した。欧州では限定的なワクチン提供の方針が相次ぎ示された。

5月初旬以降、19カ国で感染例と疑い例が計237人報告されており調査が行われている。

サル痘は濃厚接触で感染することが多い。今回の流行までアフリカ以外での感染報告はほとんどなかった。足元の感染拡大は主に欧州で起きている。

英イングランドは24日、14人の新規感染者を確認し、5月7日以降の累計感染者は70人となった。アラブ首長国連邦(UAE)とチェコでは初の感染者が報告された。

WHOの感染症専門家、シルビー・ブリアン氏は監視を強めて感染レベルと広がりを把握する必要があると述べ、「封じ込めは可能」と強調。ワクチンや治療法はあり、適切な感染防止対策とさらなる研究、国際協力が必要だと訴えた。

フランスの保健当局は24日、サル痘感染者と接触した重症化リスクの高い成人や医療従事者にワクチンを接種するよう勧告した。

2人の感染者が報告されているデンマークも同様に、感染者の濃厚接触者にワクチンを提供する。

ワクチンはデンマークのバイオ製薬ババリアン・ノルディックが製造。米国では天然痘とサル痘を予防するワクチンとして承認されている。欧州では天然痘予防ワクチンとして承認されており、適応外使用の枠組みでサル痘予防に使われている。

ドイツは感染拡大が加速する場合に備え、感染者の濃厚接触者に使用するワクチン4万回分を発注した。

*動画を付けて再送します。

ロイター
Copyright (C) 2022 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

EU、自動車業界の圧力でエンジン車禁止を緩和へ

ワールド

中国、EU産豚肉関税を引き下げ 1年半の調査期間経

ビジネス

英失業率、8─10月は5.1%へ上昇 賃金の伸び鈍

ビジネス

ユーロ圏総合PMI、12月速報値は51.9 3カ月
MAGAZINE
特集:教養としてのBL入門
特集:教養としてのBL入門
2025年12月23日号(12/16発売)

実写ドラマのヒットで高まるBL(ボーイズラブ)人気。長きにわたるその歴史と深い背景をひもとく

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦載、海上での実戦試験へ
  • 2
    人口減少が止まらない中国で、政府が少子化対策の切り札として「あるもの」に課税
  • 3
    ミトコンドリア刷新で細胞が若返る可能性...老化関連疾患に挑む新アプローチ
  • 4
    【実話】学校の管理教育を批判し、生徒のため校則を…
  • 5
    香港大火災の本当の原因と、世界が目撃した「アジア…
  • 6
    【銘柄】資生堂が巨額赤字に転落...その要因と今後の…
  • 7
    【衛星画像】南西諸島の日米新軍事拠点 中国の進出…
  • 8
    アダルトコンテンツ制作の疑い...英女性がインドネシ…
  • 9
    「なぜ便器に?」62歳の女性が真夜中のトイレで見つ…
  • 10
    FRBパウエル議長が格差拡大に警鐘..米国で鮮明になる…
  • 1
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦載、海上での実戦試験へ
  • 2
    人口減少が止まらない中国で、政府が少子化対策の切り札として「あるもの」に課税
  • 3
    【衛星画像】南西諸島の日米新軍事拠点 中国の進出を睨み建設急ピッチ
  • 4
    デンマーク国防情報局、初めて米国を「安全保障上の…
  • 5
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だ…
  • 6
    【銘柄】資生堂が巨額赤字に転落...その要因と今後の…
  • 7
    【クイズ】「100名の最も偉大な英国人」に唯一選ばれ…
  • 8
    ミトコンドリア刷新で細胞が若返る可能性...老化関連…
  • 9
    中国軍機の「レーダー照射」は敵対的と、元イタリア…
  • 10
    香港大火災の本当の原因と、世界が目撃した「アジア…
  • 1
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 2
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦載、海上での実戦試験へ
  • 3
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸送機「C-130」謎の墜落を捉えた「衝撃映像」が拡散
  • 4
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした…
  • 5
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR…
  • 6
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価…
  • 7
    「髪形がおかしい...」実写版『モアナ』予告編に批判…
  • 8
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だ…
  • 9
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
  • 10
    インド国産戦闘機に一体何が? ドバイ航空ショーで…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中