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独、LNG輸入へ洋上浮体式設備4基リース ロシア依存脱却の一環
[フランクフルト 5日 ロイター] - ドイツ政府は5日、液化天然ガス(LNG)の輸入増強のため、臨時の洋上貯蔵製造設備4基をリース契約し、北海のウィルヘルムスハーフェン港を最初の拠点に選んだ。ロシアからのパイプラインによるガス輸送への依存を断つ取り組みの一環。
ドイツは現在、天然ガス供給の約3分の1をロシアに頼る。昨年のロシア産天然ガスの輸入量は1420億立方メートルだった。ドイツ政府はこれまでに天然ガスのロシア依存を終えるのは2024年夏までかかる可能性があると表明している。より恒久的なLNGターミナルの建造には時間がかかる。
契約は2基がドイツの公益大手ユニパーからのチャーター。残りの2基がノルウェーの操船会社ホーグLNGとの10年契約で、9月か10月までに完成し、ユニパーのライバルのRWEが運営することになっている。陸上受け入れ基地機能の代替となる浮体式LNG貯蔵再ガス化設備(FSRU)と呼ばれる大型設備で、ドイツ政府は29億4000万ユーロの予算を付ける意向。まもなく議会で承認を得る計画にしている。
ドイツ最初のFSRUは同国の天然ガス需要の8.5%を賄う規模で、ウィルヘルムスハーフェンに停泊させる。今度の冬に洋上LNGを受け取り、シュレスウィヒ・ホルシュタイン州のブルンスビュッテルが続く予定。
長期的にはこうした拠点を再生可能なガスや水素エネルギーの拠点に転換できるようにすることを目指すという。