ニュース速報

ワールド

豪首相、州へのワクチン供給加速を約束 接種遅れ挽回へ

2021年06月21日(月)14時54分

 6月21日、オーストラリアのモリソン首相(写真)は、州・地域への新型コロナウイルスワクチンの供給を加速すると表明した。写真はパリで15日撮影(2021年 ロイター/Pascal Rossignol)

[シドニー 21日 ロイター] - オーストラリアのモリソン首相は21日、州・地域への新型コロナウイルスワクチンの供給を加速すると表明した。複数のハードルに直面してきた接種計画が一段と遅れる事態を回避したい考えだ。

豪政府は先週、英アストラゼネカ製の新型コロナワクチンについて、血栓を巡る懸念を理由に、接種対象を60歳以上に引き上げる方針転換を発表。これを受けて接種計画に混乱が生じた。

モリソン首相は地元ラジオで「どの州も追加供給を受ける。7月にもさらに供給は増え、追加のファイザー製ワクチンが配布される」と述べた。州ごとの具体的な数量には言及しなかった。

保健当局は、ファイザー製ワクチンの配布は現在「リソース面で制約がある環境で実施」されているが、8月以降は加速するとの認識を示している。

ワクチンタスクフォースを率いるジョン・フレウェン氏は、閣議後にキャンベラで記者会見し「第3、第4・四半期になれば、ファイザー製ワクチンの供給は大幅に加速し、より潤沢に配分できるようになる」と強調した。

オーストラリアは、アストラゼネカのワクチンは国内で生産しているが、ファイザー製ワクチンは海外からの輸入に頼っている。

同国のワクチン接種計画は、海外からの供給の問題で当初の目標を達成できず、アストラゼネカ製ワクチンを巡る医療専門家の助言変更でさらに遅れが生じている。

これまでに接種を完了した人は成人人口の4%にとどまる。少なくとも1回接種した人は25%超。

政府は接種加速に向け、州・地域に対し6月に約230万回分、7月には最大340万回分を配布する計画だ。

一方、オーストラリア最大の人口を抱えるニューサウスウェールズ(NSW)州は、新型コロナウイルス変異株「デルタ(インドで最初に見つかった変異株)」の感染拡大阻止に取り組んでいる。

21日には同州で2人の新規感染が報告された。2人とも既に確認されている感染者の濃厚接触者で、これまで隔離されていた。このクラスターの感染者数はこの5日間で11人となった。

ロイター
Copyright (C) 2021 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

FRB0.25%利下げ、3会合連続 3人が決定に反

ビジネス

FRBに十分な利下げ余地、追加措置必要の可能性も=

ビジネス

米雇用コスト、第3四半期は前期比0.8%上昇 予想

ワールド

米地裁、トランプ氏のLAへの派兵中止命じる 大統領
MAGAZINE
特集:ジョン・レノン暗殺の真実
特集:ジョン・レノン暗殺の真実
2025年12月16日号(12/ 9発売)

45年前、「20世紀のアイコン」に銃弾を浴びせた男が日本人ジャーナリストに刑務所で語った動機とは

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    中国軍機の「レーダー照射」は敵対的と、元イタリア空軍の専門家。NATO軍のプロフェッショナルな対応と大違い
  • 2
    トランプの面目丸つぶれ...タイ・カンボジアで戦線拡大、そもそもの「停戦合意」の効果にも疑問符
  • 3
    「何これ」「気持ち悪い」ソファの下で繁殖する「謎の物体」の姿にSNS震撼...驚くべき「正体」とは?
  • 4
    死者は900人超、被災者は数百万人...アジア各地を襲…
  • 5
    【クイズ】アジアで唯一...「世界の観光都市ランキン…
  • 6
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だ…
  • 7
    「正直すぎる」「私もそうだった...」初めて牡蠣を食…
  • 8
    「安全装置は全て破壊されていた...」監視役を失った…
  • 9
    イギリスは「監視」、日本は「記録」...防犯カメラの…
  • 10
    「韓国のアマゾン」クーパン、国民の6割相当の大規模情…
  • 1
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした「信じられない」光景、海外で大きな話題に
  • 2
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価に与える影響と、サンリオ自社株買いの狙い
  • 3
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だから日本では解決が遠い
  • 4
    健康長寿の鍵は「慢性炎症」にある...「免疫の掃除」…
  • 5
    兵士の「戦死」で大儲けする女たち...ロシア社会を揺…
  • 6
    キャサリン妃を睨む「嫉妬の目」の主はメーガン妃...…
  • 7
    中国軍機の「レーダー照射」は敵対的と、元イタリア…
  • 8
    ホテルの部屋に残っていた「嫌すぎる行為」の証拠...…
  • 9
    戦争中に青年期を過ごした世代の男性は、終戦時56%…
  • 10
    【クイズ】アルコール依存症の人の割合が「最も高い…
  • 1
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 2
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後」の橋が崩落する瞬間を捉えた「衝撃映像」に広がる疑念
  • 3
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸送機「C-130」謎の墜落を捉えた「衝撃映像」が拡散
  • 4
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした…
  • 5
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR…
  • 6
    まるで老人...ロシア初の「AIヒト型ロボット」がお披…
  • 7
    「髪形がおかしい...」実写版『モアナ』予告編に批判…
  • 8
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価…
  • 9
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だ…
  • 10
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中