ニュース速報

ワールド

訂正:入管法改正案に反対集会、難民排除・人権侵害と批判

2021年04月23日(金)21時27分

 4月22日、入管法改正案に反対する弁護士や人権団体は、国会内で集会を開き、現在審議中の同法案は移民・難民の排除につながるもので人権侵害だなどと訴えた。写真は全国難民弁護団連絡会議の大橋毅弁護士(2021年 ロイター/Akira Tomoshige)

(22日配信の以下の記事で、本文3段落目の辻元議員の名前の漢字を訂正しました)

[東京 22日 ロイター] - 出入国管理及び難民認定法(入管法)改正案に反対する弁護士や人権団体は22日、国会内で集会を開き、現在審議中の同法案は移民・難民の排除につながるもので人権侵害だなどと訴えた。

全国難民弁護団連絡会議の大橋毅弁護士は、この法改正案には国連、日弁連を始めとする全国の弁護士会、アムネスティ・インターナショナルなどの人権団体が反対の声をあげていると指摘、「それは(難民)条約違反、人権侵害の内容だからだ」と発言した。

集会には辻元(訂正)清美衆院議員や石橋通宏参院議員など十数人の国会議員が参加、主催者によると600人近くがオンラインで参加した。主催者らは集会後に法務省に反対署名も提出、18日までに10万6792筆が集まったという。

集会に参加したミャンマー人の女性はロイターの取材に対し、法改正について「今ミャンマーで起きてることに対して、今日本の法律が変わって、私が日本から帰らせられれば本当に逮捕されるし死刑になるかもしれない。とても命が危険なので怖いです」と語った。この女性は3回目の難民申請を行っている。

先週国会審議入りした同改正案では、難民申請を3回以上行った申請者を自国に送還することが可能となる。日本は難民認定率が他の先進国と比べ極端に低く、19年はドイツや米国の25─29%に対しわずか0.4%の44人、20年も47人にとどまった。弁護士らは、こうした状況下で難民認定されなかった人を強制的に送還することは非人道的だと批判している。

また、国外退去処分となった外国人が入管施設で長期にわたり収容される問題を解決する策として、親類や支援者などの監督のもとで収容施設の外で生活できる「監理措置」を創設するとしている。しかし、逃亡した場合には刑事罰を科する点や、「監理人」が弁護士の場合、入管に対する報告義務があるため、依頼人である被監理者に関する守秘義務を守れないなどの問題点が指摘されている。

国連難民高等弁務官事務所が改正案に「懸念」を表明したほか、国連人権理事会の特別報告者も「国際的な人権基準を満たしていない」と再検討を求める書簡を日本政府に送った。

法案が審議入りした16日の衆院本会議で上川陽子法相は、「退去強制手続きを適切、実効的なものにするのは喫緊の課題だ」とし、改正案は外国人の人権に十分に配慮した適正なものだと述べている。

*本文3段落目の辻元議員の名前の漢字を訂正しました。

(宮崎亜巳 編集:田中志保)

ロイター
Copyright (C) 2021 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

エネ価格「ECB基本シナリオに依然最も近い」=クロ

ワールド

再送トランプ氏、イラン高速攻撃艇「即座に排除」 封

ワールド

OPEC、4─6月の石油需要下方修正 中東情勢踏ま

ワールド

イスラエル、レバノン南部要衝で地上攻撃 直接会談控
MAGAZINE
特集:台湾有事の新シナリオ
特集:台湾有事の新シナリオ
2026年4月21日号(4/14発売)

地域紛争の「大前提」を変えた米・イラン戦争が台湾侵攻の展開に及ぼす影響をシミュレーション

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    日本は「イノベーションのやり方」を忘れた...ホンダ「EV撤退」が示す、日本が失った力の正体
  • 2
    「いい加減にして...」ケンダル・ジェンナーの「目のやり場に困る」姿にネット騒然
  • 3
    【銘柄】イラン情勢で「任天堂」が急落 不確実な相場で人気の優良株から売られる落とし穴
  • 4
    停戦合意後もレバノン猛攻を続けるイスラエル、「国…
  • 5
    目のやり場に困る...元アイスホッケー女性選手の「密…
  • 6
    トランプがまた暴走?「イラン海上封鎖」の勝算
  • 7
    古代のパピルスから新たに見つかった「2500年前の文…
  • 8
    「違法レベル...」ゼンデイヤの「完全に透けて見える…
  • 9
    トランプ政権に逆風...「イラン戦争でインフレ再燃」…
  • 10
    「仕事ができる人」になる、ただ1つの条件...「頑張…
  • 1
    古代のパピルスから新たに見つかった「2500年前の文章」...歴史を塗り替えかねない、その内容とは?
  • 2
    バリ島沖の要衝で「中国製水中ドローン」が回収される...潜水艦の重要ルートで一体何をしていた?
  • 3
    米特殊部隊、米空軍兵士救出「大成功」に残る多くの疑問
  • 4
    韓国、生理用品無償支給を7月から開始 靴の中敷きで…
  • 5
    「南東部と東部の前線で480平方キロ奪還」とウクライ…
  • 6
    「地獄を見る」のは米国か──イラン地上侵攻なら革命…
  • 7
    停戦合意後もレバノン猛攻を続けるイスラエル、「国…
  • 8
    撃墜された米国機から財布やID回収か、イラン側が拡…
  • 9
    ポケモンで遊ぶと脳に「専用の領域」ができる? ポ…
  • 10
    中国がイラン戦争一時停戦の裏で大笑い...一時停戦に…
  • 1
    温暖化で増えた? サンマやサケ減少の裏で激増する「安価で栄養価の高い魚」の正体
  • 2
    米特殊部隊、米空軍兵士救出「大成功」に残る多くの疑問
  • 3
    「根底にあるのは怒り」...日本の「3Dプリンター住宅」企業が救う、ウクライナの未来
  • 4
    古代のパピルスから新たに見つかった「2500年前の文…
  • 5
    「ノーと言えるスペイン」の背景に国防意識...次期ス…
  • 6
    バリ島沖の要衝で「中国製水中ドローン」が回収され…
  • 7
    キャサリン皇太子妃、ナイジェリア大統領夫妻出迎え…
  • 8
    数時間以内に死に至ることも...若者の間で集団感染が…
  • 9
    メーガン妃、娘リリベット王女との「お手伝い姿」公…
  • 10
    第6回大会を終えて曲がり角に来たWBC
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中