ニュース速報

ワールド

米国家情報長官、中国は自由への脅威と非難 「第2次大戦後最大」

2020年12月04日(金)14時29分

12月3日、ラトクリフ米国家情報長官(写真)は、世界の民主主義と自由にとって中国は第2次世界大戦後最大の脅威だと非難した。米議会で5月代表撮影(2020年 ロイター)

[ワシントン 3日 ロイター] - ラトクリフ米国家情報長官は3日、世界の民主主義と自由にとって中国は第2次世界大戦後最大の脅威だと非難した。

米紙ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)のウェブサイトに掲載された寄稿で「中国政府が米国や地球全体を経済、軍事、技術的に支配しようとしているのは明白だ」と指摘。

「中国は今日の米国にとって最大の脅威であり、世界中の民主主義と自由にとって第2次世界大戦後最大の脅威だ」と強調した。

情報活動に配分される年間850億ドルの連邦予算の枠内で中国に充てるリソ-スを増やしたことも明らかにした。

ラトクリフ氏は、中国の経済スパイ活動が「窃盗、複製、置換」の3段階で行われており、中国の組織が米企業の知的財産を盗んで模倣し、国際市場で米企業に取って代わるという戦略だとした。

習近平国家主席が掲げる積極的な軍近代化を推進するため、中国が米国の防衛技術を盗んでいるとも主張した。

中国大使館の報道官は「事実を歪曲(わいきょく)」した偽善的なコメントだとしてこれを一蹴し、「米国側の一部の人が抱く根深い冷戦の考え方やイデオロギー的な偏見」を示すものだと批判した。

ラトクリフ氏はさらに、中国当局が「生物学的に能力を高めた兵士を生み出す」狙いで軍のメンバーに「人体実験」を実施したと指摘。詳細には触れなかった。

複数の米シンクタンクは中国が軍の戦略においてバイオ技術を重視する姿勢を強めていると報告しているが、ラトクリフ氏が主張するような実験に関する具体的な報告は公表していない。

米戦略国際問題研究所(CSIS)のアジア専門家ボニー・グレーザー氏はラトクリフ氏の寄稿について、来年1月にバイデン次期大統領が就任する前に中国に対する強硬姿勢を固めようとする狙いではないかと語った。

「バイデン氏の手を縛り、中国政策での調整余地を狭めようとする幅広い取り組みの一環のように見える」とした。

*内容を追加しました。

ロイター
Copyright (C) 2020 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

維新が自民に政策提示、企業献金廃止など12項目 1

ワールド

イスラエル、ガザ境界ラファ検問所開放へ調整 人の移

ビジネス

仏ペルノ・リカール、7─9月は減収 米中が低迷

ビジネス

ネスレ、1万6000人削減へ 第3四半期は予想上回
MAGAZINE
特集:日本人と参政党
特集:日本人と参政党
2025年10月21日号(10/15発売)

怒れる日本が生んだ「日本人ファースト」と参政党現象。その源泉にルポと神谷代表インタビューで迫る

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    まるで『トップガン』...わずか10mの至近戦、東シナ海で「中国J-16」 vs 「ステルス機」
  • 2
    フィリピンで相次ぐ大地震...日本ではあまり報道されない、被害の状況と実態
  • 3
    「欧州最大の企業」がデンマークで生まれたワケ...奇跡の成長をもたらしたフレキシキュリティーとは
  • 4
    「心の知能指数(EQ)」とは何か...「EQが高い人」に…
  • 5
    イーロン・マスク、新構想「Macrohard」でマイクロソ…
  • 6
    日本で外国人から生まれた子どもが過去最多に──人口…
  • 7
    お腹の脂肪を減らす「8つのヒント」とは?...食事以…
  • 8
    【クイズ】アメリカで最も「死亡者」が多く、「給与…
  • 9
    【クイズ】サッカー男子日本代表...FIFAランキングの…
  • 10
    「中国に待ち伏せされた!」レアアース規制にトラン…
  • 1
    かばんの中身を見れば一発でわかる!「認知症になりやすい人」が持ち歩く5つのアイテム
  • 2
    悲しみで8年間「羽をむしり続けた」オウム...新たな飼い主との「イケイケなダンス」姿に涙と感動の声
  • 3
    お腹の脂肪を減らす「8つのヒント」とは?...食事以外の「2つの隠れた要因」が代謝を狂わせていた
  • 4
    【クイズ】日本人が唯一「受賞していない」ノーベル…
  • 5
    中国人が便利な「調理済み食品」を嫌うトホホな理由…
  • 6
    まるで『トップガン』...わずか10mの至近戦、東シナ…
  • 7
    ベゾス妻 vs C・ロナウド婚約者、バチバチ「指輪対決…
  • 8
    フィリピンで相次ぐ大地震...日本ではあまり報道され…
  • 9
    時代に逆行するトランプのエネルギー政策が、アメリ…
  • 10
    「中国のビットコイン女王」が英国で有罪...押収され…
  • 1
    かばんの中身を見れば一発でわかる!「認知症になりやすい人」が持ち歩く5つのアイテム
  • 2
    「大谷翔平の唯一の欠点は...」ドジャース・ロバーツ監督が明かすプレーオフ戦略、監督の意外な「日本的な一面」とは?
  • 3
    カミラ王妃のキャサリン妃への「いら立ち」が話題に...「少々、お控えくださって?」
  • 4
    増加する「子どもを外注」する親たち...ネオ・ネグレ…
  • 5
    悲しみで8年間「羽をむしり続けた」オウム...新たな…
  • 6
    バフェット指数が異常値──アメリカ株に「数世代で最…
  • 7
    「日本の高齢化率は世界2位」→ダントツの1位は超意外…
  • 8
    お腹の脂肪を減らす「8つのヒント」とは?...食事以…
  • 9
    数千円で買った中古PCが「宝箱」だった...起動して分…
  • 10
    【クイズ】日本人が唯一「受賞していない」ノーベル…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中