ニュース速報

ワールド

英、無対策で学校再開ならコロナ第2波の規模2倍に=研究者

2020年08月05日(水)01時30分

英研究者は4日、新型コロナウイルスの検査と感染者の追跡体制を改善しないまま9月に学校の対面授業が再開されれば、冬季にかけて感染拡大第2波が発生し、規模は第1波の倍になると警告した。英ワトリントンで7月撮影(2020年 ロイター/EDDIE KEOGH)

[ロンドン 4日 ロイター] - 英研究者は4日、新型コロナウイルスの検査と感染者の追跡体制を改善しないまま9月に学校の対面授業が再開されれば、冬季にかけて感染拡大第2波が発生し、規模は第1波の倍になると警告した。

ロンドン大学のユニバーシティ・カレッジ・ロンドン(UCL)とロンドン大学衛生・熱帯医学大学院(LSHTM)の研究者は、学校の対面授業再開、およびこれに伴う保護者の職場復帰による感染拡大への影響を検証した。

医学誌「ランセット・チャイルド・アンド・アドレセント・ヘルス」に掲載された論文によると、症状がある感染者の75%が特定され、これらの人達の接触者のうち68%が追跡された場合、もしくは症状がある人の87%が特定され、接触者の40%が追跡されれば、感染拡大第2波は防止できるとの試算を示した。

ただ、「効果的な検査、追跡戦略が導入されないまま9月に学校の対面授業が全面的に再開されれば、1人の感染者が新たに何人に感染させるかを示す『基本再生産数』は1を超える水準に上昇し、その結果、12月にピークを迎えると予想される感染拡大第2波の規模は第1波の2.0─2.3倍になる恐れがある」とした。

英国では3月に全国的なロックダウン(都市封鎖)措置が実施された際、学校の対面授業も基本的に停止。6月にごく少数の児童を対象に対面授業が再開された。ジョンソン首相は学校の対面授業再開は国の優先事項としており、9月初旬に全国的に再開される。

ロイター
Copyright (C) 2020 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

米「夏のブラックフライデー」、オンライン売上高が3

ワールド

オーストラリア、いかなる紛争にも事前に軍派遣の約束

ワールド

イラン外相、IAEAとの協力に前向き 査察には慎重

ワールド

金総書記がロシア外相と会談、ウクライナ紛争巡り全面
MAGAZINE
特集:大森元貴「言葉の力」
特集:大森元貴「言葉の力」
2025年7月15日号(7/ 8発売)

時代を映すアーティスト・大森元貴の「言葉の力」の源泉にロングインタビューで迫る

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「ベンチプレス信者は損している」...プッシュアップを極めれば、筋トレは「ほぼ完成」する
  • 2
    「お腹が空いていたんだね...」 野良の子ネコの「首」に予想外のものが...救出劇が話題
  • 3
    千葉県の元市長、「年収3倍」等に惹かれ、国政に打って出たときの顛末
  • 4
    イギリスの鉄道、東京メトロが運営したらどうなる?
  • 5
    完璧な「節約ディズニーランド」...3歳の娘の夢を「…
  • 6
    どの学部の卒業生が「最も稼いでいる」のか? 学位別…
  • 7
    主人公の女性サムライをKōki,が熱演!ハリウッド映画…
  • 8
    【クイズ】未踏峰(誰も登ったことがない山)の中で…
  • 9
    シャーロット王女の「ロイヤル・ボス」ぶりが話題に..…
  • 10
    『イカゲーム』の次はコレ...「デスゲーム」好き必見…
  • 1
    「ベンチプレス信者は損している」...プッシュアップを極めれば、筋トレは「ほぼ完成」する
  • 2
    「弟ができた!」ゴールデンレトリバーの初対面に、ネットが感動の渦
  • 3
    日本企業の「夢の電池」技術を中国スパイが流出...APB「乗っ取り」騒動、日本に欠けていたものは?
  • 4
    シャーロット王女の「ロイヤル・ボス」ぶりが話題に..…
  • 5
    「お腹が空いていたんだね...」 野良の子ネコの「首…
  • 6
    千葉県の元市長、「年収3倍」等に惹かれ、国政に打っ…
  • 7
    完璧な「節約ディズニーランド」...3歳の娘の夢を「…
  • 8
    「飛行機内が臭い...」 原因はまさかの「座席の下」…
  • 9
    トランプ関税と財政の無茶ぶりに投資家もうんざり、…
  • 10
    アリ駆除用の「毒餌」に、アリが意外な方法で「反抗…
  • 1
    「コーヒーを吹き出すかと...」ディズニーランドの朝食が「高額すぎる」とSNSで大炎上、その「衝撃の値段」とは?
  • 2
    「あまりに愚か...」国立公園で注意を無視して「予測不能な大型動物」に近づく幼児連れ 「ショッキング」と映像が話題に
  • 3
    10歳少女がサメに襲われ、手をほぼ食いちぎられる事故...「緊迫の救護シーン」を警官が記録
  • 4
    JA・卸売業者が黒幕説は「完全な誤解」...進次郎の「…
  • 5
    ディズニー・クルーズラインで「子供が海に転落」...…
  • 6
    気温40℃、空港の「暑さ」も原因に?...元パイロット…
  • 7
    燃え盛るロシアの「黒海艦隊」...ウクライナの攻撃で…
  • 8
    「小麦はもう利益を生まない」アメリカで農家が次々…
  • 9
    イランを奇襲した米B2ステルス機の謎...搭乗した専門…
  • 10
    「うちの赤ちゃんは一人じゃない」母親がカメラ越し…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中