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米上院報告書、中国の「デジタル独裁主義」非難 対抗措置を提言

2020年07月22日(水)09時46分

米議会上院は21日、中国は自国のハイテク技術の発達を利用して「デジタル独裁主義」を構築し、国内だけでなく国外でも監視と情報の検閲を実施しているとする報告書を公表した。ワシントンの連邦議会で5月撮影(2020年 ロイター/ERIN SCOTT)

[ワシントン 21日 ロイター] - 米議会上院は21日、中国は自国のハイテク技術の発達を利用して「デジタル独裁主義」を構築し、国内だけでなく国外でも監視と情報の検閲を実施しているとする報告書を公表した。

報告書は上院外交委員会幹部のボブ・メネンデス議員(民主党)の指揮の下、民主党スタッフが取りまとめた。中国政府が制定した情報統制強化に向けた新たな法律、およびハイテク企業への大規模な政府出資に触れている。

報告書は、中国はデジタル技術を他の国に輸出することで国際的な影響力拡大のほか、世界貿易機関(WTO)や世界保健機関(WHO)などの国際機関に対する支配力の増大も図っていると指摘。「中国はデジタル空間の制圧に向けた長期計画を実施している」とし、民主主義的な価値観の弱体化を狙っていると非難した。

その上で、米政府と議会は中国への対抗措置を打ち出す必要があると指摘した。

報告書では、米国独自の次世代通信規格「5G」技術を開発するための官民コンソーシアムの設立に向けた法律や、中国による監視に対抗するための「デジタル権利推進ファンド」の設置を提言した。

また、サイバー軍事サービスアカデミー設立のほか、各国が協力して中国に対抗する取り組みを米国が主導することを提言している。

メネンデス議員は会見で「中国はデジタル独裁主義とそのツールや戦術を世界中に輸出している」と述べ、トランプ大統領の国際的な関与が弱まる中、各国首脳らが中国のモデルに引き付けられていると危機感を示した。

*内容を追加しました。

ロイター
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