ニュース速報

ワールド

新型コロナ「エアロゾル」感染の恐れ、病院や飲食店など=WHO

2020年07月10日(金)06時17分

世界保健機関(WHO)は9日、新型コロナウイルス感染について新たなガイドラインを示し、空気中を漂う微粒子「エアロゾル」を介した感染に関する報告を一部認めた。NIAID-RM提供(2020年 ロイター)

[9日 ロイター] - 世界保健機関(WHO)は9日、新型コロナウイルス感染について新たなガイドラインを示し、空気中を漂う微粒子「エアロゾル」を介した感染に関する報告を一部認めた。ただ、空気感染の可能性を確認するまでには至らなかった。

最新のガイドラインでは、人が密集している屋内での感染を巡る報告を踏まえると、新型ウイルスが飛沫感染に加え、エアロゾルを介して感染する可能性も示されていると指摘。医療施設のほか、合唱団の練習や飲食店、スポーツジムなどでのエアロゾル感染があり得るとした。

ただ、エアロゾルが感染に果たす役割について一段の研究が必要との認識を示した。血液を介した感染については、現時点ではよく分かっていないとした。

現在の実証に基づけば、コロナ感染はウイルスに汚染された物質への直接的・間接的接触や、感染者との濃厚接触によって起こり、感染者がせきやくしゃみ、発声をした際に出る唾液や呼吸器分泌物、飛沫が感染をもたらすとした。

一方、人混みを避けたり、室内の空気の入れ替え、ソーシャル・ディスタンシング(社会的距離の確保)、それが難しい場合のマスク着用を奨励した。

コロラド大学の化学者、ホセ・ヒメネス氏は「今回の発表は小さな一歩ではあるが正しい報告に向かっている。コロナのパンデミック(世界的大流行)が主にスーパー感染によって引き起こされることが徐々に明らかになっており、その多くがエアロゾル感染によるものであるとの説明が最も納得できる」と述べた。

米国立アレルギー感染症研究所のファウチ所長は会見で、エアロゾル感染を示す確たる証拠は多くないが、実際に起きていると考えるのが妥当だとした上で、症状がない人も含めマスク着用が重要だと強調した。

*内容を追加しました。

ロイター
Copyright (C) 2020 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

NY外為市場=ドルおおむね下落、米景気懸念とFRB

ビジネス

ステーブルコイン普及で自然利子率低下、政策金利に下

ビジネス

米国株式市場=ナスダック下落、与野党協議進展の報で

ビジネス

政策不確実性が最大の懸念、中銀独立やデータ欠如にも
MAGAZINE
特集:高市早苗研究
特集:高市早苗研究
2025年11月 4日/2025年11月11日号(10/28発売)

課題だらけの日本の政治・経済・外交を初の女性首相はこう変える

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 2
    「遺体は原型をとどめていなかった」 韓国に憧れた2人の若者...最悪の勘違いと、残酷すぎた結末
  • 3
    「路上でセクハラ」...メキシコ・シェインバウム大統領にキスを迫る男性を捉えた「衝撃映像」に広がる波紋
  • 4
    クマと遭遇したら何をすべきか――北海道80年の記録が…
  • 5
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎…
  • 6
    なぜユダヤ系住民の約半数まで、マムダニ氏を支持し…
  • 7
    【銘柄】元・東芝のキオクシアHD...生成AIで急上昇し…
  • 8
    長時間フライトでこれは地獄...前に座る女性の「あり…
  • 9
    虹に「極限まで近づく」とどう見える?...小型機パイ…
  • 10
    『プレデター: バッドランド』は良作?駄作?...批評…
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎の存在」がSNSで話題に、その正体とは?
  • 3
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 4
    9歳女児が行方不明...失踪直前、防犯カメラに映った…
  • 5
    「日本のあの観光地」が世界2位...エクスペディア「…
  • 6
    【クイズ】クマ被害が相次ぐが...「熊害」の正しい読…
  • 7
    だまされやすい詐欺メールTOP3を専門家が解説
  • 8
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」は…
  • 9
    虹に「極限まで近づく」とどう見える?...小型機パイ…
  • 10
    「遺体は原型をとどめていなかった」 韓国に憧れた2…
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    英国で「パブ離れ」が深刻化、閉店ペースが加速...苦肉の策は「日本では当たり前」の方式だった
  • 3
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」はどこ?
  • 4
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎…
  • 5
    1000人以上の女性と関係...英アンドルー王子、「称号…
  • 6
    かばんの中身を見れば一発でわかる!「認知症になり…
  • 7
    悲しみで8年間「羽をむしり続けた」オウム...新たな…
  • 8
    【クイズ】クマ被害が相次ぐが...「熊害」の正しい読…
  • 9
    【クイズ】日本でツキノワグマの出没件数が「最も多…
  • 10
    お腹の脂肪を減らす「8つのヒント」とは?...食事以…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中