ニュース速報

ワールド

ギリアドの新型コロナ薬、治験失敗と報道 WHOが誤って情報開示

2020年04月24日(金)07時12分

英紙フィナンシャル・タイムズ(FT)は23日、米ギリアド・サイエンシズの新型コロナウイルス感染症治験薬の初期臨床試験が失敗に終わったと報じた。カリフォルニア州フォスターシティーで2018年5月撮影(2020年 ロイター/STEPHEN LAM)

[23日 ロイター] - 英紙フィナンシャル・タイムズ(FT)は23日、米ギリアド・サイエンシズの新型コロナウイルス感染症治験薬の初期臨床試験が失敗に終わったと報じた。これに対しギリアドは、早期に打ち切られた試験の結果であり、結論を導くことはできないと反論した。

FTの報道を受け、ギリアドの株価は4%超下落した。レムデシビルは新型コロナの有望な治療薬として注目を集めていた。

FTは、世界保健機関(WHO)が誤って公表した報告書の草稿の情報に基づき、ギリアドが中国で実施していた新型コロナ治験薬「レムデシビル」の無作為抽出による初期臨床試験で、症状の改善も血液中の病原体減少も示されなかったと報じた。

WHOは、ギリアドの試験に関する報告書の草稿が誤ってウェブサイト上に掲載され、ミスが発覚した後すぐに削除したと説明した。その上で、報告書は査読の段階にあるとし、完了後に正式に公表する方針を示した。

草稿が削除される前に医科学メディア「スタット(STAT)」が保存した画像によると、この試験には患者237人が参加し、158人にレムデシビルを、79人にはプラセボ(偽薬)を、それぞれ投与した。その結果、死亡率はレムデシビルを投与されたグループが13.9%、偽薬グループは12.8%と、大差は見られなかった。

ギリアドは声明で、WHOの草稿には不適切な解釈が含まれているとし、中国で実施された試験は被験者が少なく打ち切られたため、統計的に有意義な結果は導き出せないと反論。

その上で「データのトレンドからは、早い段階で治療を受けた患者で特に効果がある可能性が示されている」と指摘した。詳細は明らかにしていない。

みずほのアナリスト、サリム・サイード氏は「被験者がさほど多くない試験であり、信頼性の高い統計とは言えない」と指摘した。

レイモンド・ジェームズのアナリスト、スティーブン・シードハウス氏は、この中国の試験を受け、レムデシビルは重症患者には効かない可能性が高いという見方が広がるだろうと述べた。

医療関係者はこれまでに、レムデシビルのような抗ウイルス薬はウイルスが血液中で増殖するのを抑える仕組みであるため、発症早期に投与した方が効果が高いのではないかとの見方を示している。

ロイター
Copyright (C) 2020 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ

ニュース速報

ビジネス

アングル:「脱成長」理論に脚光、気候変動加速でタブ

ワールド

アングル:タリバン政権発足から1年、自由失った女性

ワールド

米下院、「インフレ抑制法案」を可決 バイデン氏署名

ワールド

ウクライナ軍、ロシア制圧域の供給路攻撃可能 弾薬庫

MAGAZINE

特集:世界が称賛する日本の暮らし

2022年8月 9日/2022年8月16日号(8/ 2発売)

治安、医療、食文化、教育、住環境......。日本人が気付かない日本の魅力

メールマガジンのご登録はこちらから。

人気ランキング

  • 1

    【映像】ガータースネークから幼蛇が出てくる瞬間

  • 2

    【画像】韓国のビーチに横たわる超巨大クラゲの写真

  • 3

    【写真】プールサイドで家族と過ごす白い水着姿のチョープラー

  • 4

    全部で11匹、手負いのヘビが幼蛇を産む瞬間

  • 5

    デリヘルで生計立て子供を私立の超難関校へ スーパ…

  • 6

    「女性らしくない」との批判──ファーストレディ・オ…

  • 7

    史上最低レベルの視聴率で視聴者が反省会まで 朝ド…

  • 8

    【映像】車庫にいた巨大ムースを至近距離で撮影

  • 9

    【動画】露軍基地の大爆発と逃げる海水浴客

  • 10

    イーロン・マスク、自家用ジェットで車10分の距離を…

  • 1

    史上最低レベルの視聴率で視聴者が反省会まで 朝ドラ「ちむどんどん」、沖縄県民が挙げた問題点とは

  • 2

    【映像】ガータースネークから幼蛇が出てくる瞬間

  • 3

    「これほど抗うつ効果が高いものは思いつかない」 世界的な著名精神科医が指摘するある『行動』とは

  • 4

    ビルマニシキヘビの死体を担いで泳ぐワニが撮影される

  • 5

    【写真】プールサイドで家族と過ごす白い水着姿のチ…

  • 6

    【画像】韓国のビーチに横たわる超巨大クラゲの写真

  • 7

    【動画】6つの刃でアルカイダ最高指導者の身体を切り…

  • 8

    台湾有事を一変させうる兵器「中国版HIMARS」とは何か

  • 9

    【映像】ビルマニシキヘビの死体を運ぶアメリカアリ…

  • 10

    全部で11匹、手負いのヘビが幼蛇を産む瞬間

  • 1

    【映像】ビルマニシキヘビの死体を運ぶアメリカアリゲーター

  • 2

    【動画】黒人の子供に差別的な扱いをしたとして炎上したセサミプレイスでの動画

  • 3

    【空撮映像】シュモクザメが他のサメに襲い掛かる瞬間

  • 4

    「彼らは任務中の兵士だ」 近衛兵から大声で叱られた…

  • 5

    【映像】接客態度に激怒、女性客が店員の顔にホット…

  • 6

    【映像】視聴者までハラハラさせる危機感皆無のおば…

  • 7

    【動画】近衛兵の馬の手綱に触れ、大声で注意されて…

  • 8

    史上最低レベルの視聴率で視聴者が反省会まで 朝ド…

  • 9

    ビルマニシキヘビの死体を担いで泳ぐワニが撮影される

  • 10

    【動画】珍しく待ちぼうけを食わされるプーチン

PICTURE POWER

レンズがとらえた地球のひと・すがた・みらい

英会話特集
日本再発見 シーズン2
World Voice
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
ニューズウィーク日本版ウェブエディター募集

MOOK

ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中