ニュース速報

ワールド

米下院が高齢者の処方薬費用軽減で法案可決、トランプ氏は拒否権か

2019年12月13日(金)14時49分

12月12日、米議会下院は高齢者が負担する処方薬費用軽減を目指す法案を可決した。写真は11月、米ケンタッキー州の選挙集会で演説するトランプ米大統領(2019年 ロイター/Yuri Gripas)

[ワシントン 12日 ロイター] - 米議会下院は12日、高齢者が負担する処方薬費用軽減を目指す法案を可決した。ただトランプ大統領は拒否権を行使する構えで、上院の支持も得られていないため、成立する見込みは明るくない。

下院に行われた採決は賛成230、反対192人で、野党・民主党と与党・共和党のほぼ勢力図通りの結果だった。

法案は、インスリンなど十数種類の処方薬についてメディケア(高齢者・障害者向け医療保険)に価格引き下げ交渉を認めているほか、民間医療保険にもより低い薬価が適用できるようにしている。また国際的な指数に基づいて米国で最も高額な医薬品の価格に上限を設け、価格交渉に応じないメーカーには多額の制裁金を科す。

超党派的な議会予算局(CBO)は、こうした仕組みを通じて向こう10年で4560億ドルの政府支出を節約できると試算している。

一方、ホワイトハウスは10日、この法案が上院も通過した場合はトランプ氏が拒否権を使うと明言。人命を救助できる薬の入手に支障を来す公算が大きいと主張し、憲法違反の恐れや、革新的な治療を市場化するインセンティブが下がることなどを理由に挙げた。

共和党が多数派の上院は、薬価引き下げに向けて独自の超党派法案を検討しており、下院で可決した法案は現状では審議されない見込み。

*最終段落の内容を明確にして再送しました

ロイター
Copyright (C) 2019 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

トヨタ、米に今後5年で最大100億ドル追加投資へ

ワールド

ウクライナ・エネ相が辞任、司法相は職務停止 大規模

ワールド

ウクライナ・エネ相が辞任、司法相は職務停止 大規模

ワールド

米財務長官、農産物値下げで「重大発表」へ コーヒー
MAGAZINE
特集:世界最高の投手
特集:世界最高の投手
2025年11月18日号(11/11発売)

日本最高の投手がMLB最高の投手に──。全米が驚愕した山本由伸の投球と大谷・佐々木の活躍

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    まるで老人...ロシア初の「AIヒト型ロボット」がお披露目会で「情けない大失態」...「衝撃映像」がSNSで拡散
  • 2
    ファン激怒...『スター・ウォーズ』人気キャラの続編をディズニーが中止に、5000人超の「怒りの署名活動」に発展
  • 3
    炎天下や寒空の下で何時間も立ちっぱなし......労働力を無駄遣いする不思議の国ニッポン
  • 4
    「イケメンすぎる」...飲酒運転で捕まった男性の「逮…
  • 5
    『プレデター: バッドランド』は良作?駄作?...批評…
  • 6
    ついに開館した「大エジプト博物館」の展示内容とは…
  • 7
    冬ごもりを忘れたクマが来る――「穴持たず」が引き起…
  • 8
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎…
  • 9
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 10
    「麻薬密輸ボート」爆撃の瞬間を公開...米軍がカリブ…
  • 1
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 2
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎の存在」がSNSで話題に、その正体とは?
  • 3
    『プレデター: バッドランド』は良作?駄作?...批評家たちのレビューは「一方に傾いている」
  • 4
    「座席に体が収まらない...」飛行機で嘆く「身長216c…
  • 5
    ドジャースの「救世主」となったロハスの「渾身の一…
  • 6
    「遺体は原型をとどめていなかった」 韓国に憧れた2…
  • 7
    まるで老人...ロシア初の「AIヒト型ロボット」がお披…
  • 8
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」は…
  • 9
    筋肉を鍛えるのは「食事法」ではなく「規則」だった.…
  • 10
    「路上でセクハラ」...メキシコ・シェインバウム大統…
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    英国で「パブ離れ」が深刻化、閉店ペースが加速...苦肉の策は「日本では当たり前」の方式だった
  • 3
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」はどこ?
  • 4
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎…
  • 5
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 6
    1000人以上の女性と関係...英アンドルー王子、「称号…
  • 7
    【クイズ】クマ被害が相次ぐが...「熊害」の正しい読…
  • 8
    【クイズ】日本でツキノワグマの出没件数が「最も多…
  • 9
    今年、記録的な数の「中国の飲食店」が進出した国
  • 10
    【クイズ】1位は「蚊」...世界で「2番目に」人間を殺…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中