ニュース速報

ワールド

仏、米の制裁関税に報復の用意 マクロン氏「国益断固守る」

2019年12月04日(水)11時19分

フランスのルメール経済・財務相は3日、米国がフランス製品に対する追加関税を検討していることについて「受け入れられない」と発言、仏をはじめ欧州連合(EU)は報復する用意があると述べた。写真はロンドンで首脳会談する米仏首脳。代表撮影(2019年 ロイター)

[パリ/ロンドン 3日 ロイター] - フランスのルメール経済・財務相は3日、米国がフランス製品に対する追加関税を検討していることについて「受け入れられない」と発言、仏をはじめ欧州連合(EU)は報復する用意があると述べた。

米通商代表部(USTR)は2日、仏デジタルサービス税が米IT(情報技術)企業を不当に差別しているとして、シャンパン、ハンドバッグ、チーズなどフランスからの24億ドル相当の輸入品に最大100%の追加関税を課す可能性があると明らかにした。[nL4N28D03Q]

USTRは「通商法301条」に基づく調査の結果、仏デジタル課税は「国際税制の一般的な原則に合致せず、対象となる米企業にとって異例の重荷だ」と結論付けた。

トランプ大統領は北大西洋条約機構(NATO)首脳会議出席のため訪れたロンドンでマクロン仏大統領と会談。デジタル課税について「課税対象企業は米国のハイテク企業だ。彼らは私の好みではないが、何にせよ米国企業であって、課税するのはわれわれだ。他人が課税する話ではない」と語った。同時に「何とかなるだろうし、相互に利益をもたらす課税方法もある」とした。

マクロン氏は「フランスや欧州の国益を断固守る」と応じた。

USTRはすでにEUによる航空機製造大手エアバスへの補助金に対する報復関税として、仏産のワインやチーズなどに25%の追加関税を課している。[nL3N27301S]

ルメール氏はラジオ・クラシークに「米国の新たな制裁についてはEUが報復する用意がある」と発言。その後の記者会見では「フランスはいずれの国も標的にはしていない」と述べた。

また経済協力開発機構(OECD)でデジタル課税など国際課税制度の見直しに向けた合意が得られれば、仏デジタルサービス税を直ちに廃止すると改めて指摘した。

パニエリュナシェ仏経済・財務副大臣はシュド・ラジオで、「この問題については好戦的にならなければならない」と述べた。

仏デジタルサービス税は同国内の売上高が2500万ユーロ(2786万米ドル)で、世界での売上高が7億5000万ユーロ(8億3000万米ドル)の企業に対し、デジタルサービス収入の3%を徴税するもので、アルファベット傘下のグーグルやフェイスブック、アップル、アマゾン・ドットコムなどが対象になる。

ロス米商務長官は同日、ニューヨークでロイターに対し、仏デジタルサービス税は「利益ではなく売上高に課税する非常に過激な概念」で、仏政府の財政赤字を穴埋めするために税収を増やす狙いがあると批判した。

「諸外国は、成功を収めている米企業を罰するよりも、自国の技術開発に専念した方がより良い成果を得られるだろう」と述べ、利益ではなく売上高に課税するのは「奇妙でもしかすると危険な」行為だとの認識を示した。

*内容を追加しました。

ロイター
Copyright (C) 2019 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

ユナイテッドCEO、アメリカンとの合併に言及 2月

ワールド

北朝鮮、12日に駆逐艦から巡航ミサイルと対艦ミサイ

ワールド

シンガポール中銀、予想通り金融引き締め インフレリ

ビジネス

日産が車種を約20%削減へ、30年度までに米中販売
MAGAZINE
特集:台湾有事の新シナリオ
特集:台湾有事の新シナリオ
2026年4月21日号(4/14発売)

地域紛争の「大前提」を変えた米・イラン戦争が台湾侵攻の展開に及ぼす影響をシミュレーション

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    日本は「イノベーションのやり方」を忘れた...ホンダ「EV撤退」が示す、日本が失った力の正体
  • 2
    「いい加減にして...」ケンダル・ジェンナーの「目のやり場に困る」姿にネット騒然
  • 3
    停戦合意後もレバノン猛攻を続けるイスラエル、「国防軍は崩壊寸前」
  • 4
    【銘柄】イラン情勢で「任天堂」が急落 不確実な相…
  • 5
    トランプがまた暴走?「イラン海上封鎖」の勝算
  • 6
    目のやり場に困る...元アイスホッケー女性選手の「密…
  • 7
    古代のパピルスから新たに見つかった「2500年前の文…
  • 8
    「仕事ができる人」になる、ただ1つの条件...「頑張…
  • 9
    「違法レベル...」ゼンデイヤの「完全に透けて見える…
  • 10
    BTS再始動、3年9カ月の沈黙を経て──変わる音楽市場で…
  • 1
    古代のパピルスから新たに見つかった「2500年前の文章」...歴史を塗り替えかねない、その内容とは?
  • 2
    バリ島沖の要衝で「中国製水中ドローン」が回収される...潜水艦の重要ルートで一体何をしていた?
  • 3
    米特殊部隊、米空軍兵士救出「大成功」に残る多くの疑問
  • 4
    韓国、生理用品無償支給を7月から開始 靴の中敷きで…
  • 5
    「南東部と東部の前線で480平方キロ奪還」とウクライ…
  • 6
    「地獄を見る」のは米国か──イラン地上侵攻なら革命…
  • 7
    停戦合意後もレバノン猛攻を続けるイスラエル、「国…
  • 8
    撃墜された米国機から財布やID回収か、イラン側が拡…
  • 9
    ポケモンで遊ぶと脳に「専用の領域」ができる? ポ…
  • 10
    中国がイラン戦争一時停戦の裏で大笑い...一時停戦に…
  • 1
    温暖化で増えた? サンマやサケ減少の裏で激増する「安価で栄養価の高い魚」の正体
  • 2
    米特殊部隊、米空軍兵士救出「大成功」に残る多くの疑問
  • 3
    「根底にあるのは怒り」...日本の「3Dプリンター住宅」企業が救う、ウクライナの未来
  • 4
    古代のパピルスから新たに見つかった「2500年前の文…
  • 5
    「ノーと言えるスペイン」の背景に国防意識...次期ス…
  • 6
    バリ島沖の要衝で「中国製水中ドローン」が回収され…
  • 7
    キャサリン皇太子妃、ナイジェリア大統領夫妻出迎え…
  • 8
    数時間以内に死に至ることも...若者の間で集団感染が…
  • 9
    メーガン妃、娘リリベット王女との「お手伝い姿」公…
  • 10
    第6回大会を終えて曲がり角に来たWBC
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中