ニュース速報

ワールド

メキシコ国境壁建設、財源は現在22.7億円のみ=米政府文書

2017年03月02日(木)10時40分

 3月1日、トランプ米大統領は、今ある予算を使ってメキシコ国境沿いの壁建設にすぐ取り掛かると約束したが、ロイターが入手した国土安全保障省の文書で財源が十分に確保できていないことが明らかになった。写真はメキシコ国境沿いに設けられたフェンス。カリフォルニア州で2月撮影(2017年 ロイター/Mike Blake)

[ワシントン 1日 ロイター] - トランプ米大統領は、今ある予算を使ってメキシコ国境沿いの壁建設にすぐ取り掛かると約束したが、ロイターが入手した国土安全保障省の文書で財源が十分に確保できていないことが明らかになった。

ホワイトハウスの説明では、壁の建設に速やかに取り掛かるために必要な資金は「国土安全保障省の既存の予算と資源」で充当されるという。

しかし同省が作成し、先週議会の予算関係スタッフに配布した文書によると、壁建設のために転用可能な予算は2000万ドル(約22億7700万円)しか見つからなかった。この金額は壁の試作品発注費用はカバーできるものの、実際に着工するには足りない。つまりホワイトハウスは適切な予算を手当てするために議会を説得する必要があることになる。

以前にロイターが確認した国土安全保障省の内部報告では、壁建設費用は最大216億ドルかかり、フェンスなら1マイル当たり930万ドル、壁なら1マイル当たり1780万ドルが必要とされる。

トランプ氏は既存の予算でカバーできない部分を議会に要請する方針。共和党のライアン下院議長は来年度予算にメキシコ国境沿いの壁建設費用を含めると発言している。

ただ多くの共和党議員は、壁建設費用を他の分野の歳出削減で相殺しない提案には反対する考えを示している。

ロイター
Copyright (C) 2017 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

香港警察、手配中の民主活動家の家族を逮捕

ビジネス

香港GDP、第1四半期は前年比+3.1% 米関税が

ビジネス

アングル:替えがきかないテスラの顔、マスク氏後継者

ワールド

ウクライナ議会、8日に鉱物資源協定批准の採決と議員
MAGAZINE
特集:英語で学ぶ 国際ニュース超入門
特集:英語で学ぶ 国際ニュース超入門
2025年5月 6日/2025年5月13日号(4/30発売)

「ゼロから分かる」各国・地域情勢の超解説と時事英語

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    日本の未婚男性の「不幸感」は他国と比べて特異的に高く、女性では反対に既婚の方が高い
  • 2
    マリフアナを合法化した末路とは? 「バラ色の未来が来るはずだったのに...」
  • 3
    タイタニック生存者が残した「不気味な手紙」...何が書かれていた?
  • 4
    インドとパキスタンの戦力比と核使用の危険度
  • 5
    インド北部の「虐殺」が全面「核戦争」に発展するか…
  • 6
    日々、「幸せを実感する」生活は、実はこんなに簡単…
  • 7
    ウクライナ戦争は終わらない──ロシアを動かす「100年…
  • 8
    目を「飛ばす特技」でギネス世界記録に...ウルグアイ…
  • 9
    MRI検査で体内に「有害金属」が残留する可能性【最新…
  • 10
    悲しみは時間薬だし、幸せは自分次第だから切り替え…
  • 1
    日本史上初めての中国人の大量移住が始まる
  • 2
    日本旅行が世界を魅了する本当の理由は「円安」ではない
  • 3
    MRI検査で体内に「有害金属」が残留する可能性【最新研究】
  • 4
    中国で「ネズミ人間」が増殖中...その驚きの正体とは…
  • 5
    ロシア国内エラブガの軍事工場にウクライナが「ドロ…
  • 6
    日本の未婚男性の「不幸感」は他国と比べて特異的に…
  • 7
    マリフアナを合法化した末路とは? 「バラ色の未来…
  • 8
    タイタニック生存者が残した「不気味な手紙」...何が…
  • 9
    パニック発作の原因の多くは「ガス」だった...「ビタ…
  • 10
    使うほど脱炭素に貢献?...日建ハウジングシステムが…
  • 1
    【話題の写真】高速列車で前席のカップルが「最悪の行為」に及ぶ...インド人男性の撮影した「衝撃写真」にネット震撼【画像】
  • 2
    日本史上初めての中国人の大量移住が始まる
  • 3
    日本旅行が世界を魅了する本当の理由は「円安」ではない
  • 4
    健康寿命を伸ばすカギは「人体最大の器官」にあった.…
  • 5
    【心が疲れたとき】メンタルが一瞬で “最…
  • 6
    間食はなぜ「ナッツ一択」なのか?...がん・心疾患・抜…
  • 7
    北朝鮮兵の親たち、息子の「ロシア送り」を阻止する…
  • 8
    【クイズ】世界で最も「半導体の工場」が多い国どこ…
  • 9
    クレオパトラの墓をついに発見? 発掘調査を率いた…
  • 10
    中居正広は何をしたのか? 真相を知るためにできる…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中