ニュース速報

ワールド

パリ同時攻撃で死者120人以上、仏大統領が非常事態宣言

2015年11月14日(土)15時25分

 11月13日、仏パリで銃撃や爆発があり、検察当局によれば少なくとも120人が死亡した。銃撃が発生したレストラン現場近くの様子(2015年 ロイター/Philippe Wojazer)

[パリ 14日 ロイター] - フランスのパリで13日夜、銃撃や爆弾などによるレストラン、コンサートホール、スタジアムなどへの複数の襲撃が市内各地でほぼ同時に発生、少なくとも120人が死亡した。オランド大統領は前例のないテロ行為と非難、非常事態を宣言した。

当局によると、パリ中心部のバタクラン劇場では、ロックコンサートの最中に4人が観客に向かって銃を乱射、少なくとも87人が死亡した。その後治安部隊に制圧されたという。

このほか5カ所が攻撃され40人程度が死亡したという。このうちオランド大統領や独外相が観戦して独仏親善試合が行われていたサッカースタジアムの外では2人での自爆攻撃とみられる爆発があった。

パリ市当局によると、少なくとも120人が死亡。犯人5人は「制圧した」という。警察は「テロリストは、(コンサートホールに)押し入る前に複数のレストランのテラス席に向かって銃撃した」としている。

オランド大統領はフランス全土に非常事態を宣言、国境を封鎖した。逃亡中の犯人がいるかどうかは明らかになっていない。

乱射が起きたホールでは米カリフォルニアのロックグループ、イーグルス・オブ・デス・メタルのコンサートが開かれていたが、目撃者によると犯人はイスラム教の唱えとフランスのシリア空爆への参加を非難するスローガンを叫んでいたという。

オランド大統領はトルコでの20カ国・地域首脳会議(G20)への参加を取りやめた。

現場の状況から組織的な犯行であるのは明らかで、西側の治安当局筋はイスラム系武装勢力が関与しているとの見方を示している。フランスは米国とともに、シリアやイラクで過激派組織「イスラム国」への空爆に参加している。

パリでは今月下旬から国連気候変動枠組み条約第21回締約国会議(COP21)の開催を控え、テロに対する警戒を強めており、今回の攻撃による衝撃は大きい。

オバマ米大統領は「罪のない市民を怯えさせる卑劣な行為がまた発生した」として攻撃を非難。フランスに対し必要なあらゆる支援を提供していく考えを表明した。

*関連グラフィック

http://reut.rs/1McDcF9

*内容と写真を追加して再送します。

ロイター
Copyright (C) 2015 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

金総書記、プーチン氏に新年メッセージ 朝ロ同盟を称

ワールド

タイとカンボジアが停戦で合意、72時間 紛争再燃に

ワールド

アングル:求人詐欺で戦場へ、ロシアの戦争に駆り出さ

ワールド

ロシアがキーウを大規模攻撃=ウクライナ当局
MAGAZINE
特集:ISSUES 2026
特集:ISSUES 2026
2025年12月30日/2026年1月 6日号(12/23発売)

トランプの黄昏/中国AI/米なきアジア安全保障/核使用の現実味......世界の論点とキーパーソン

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    ウクライナ水中ドローンが、ロシア潜水艦を爆破...「史上初の攻撃成功」の裏に、戦略的な「事前攻撃」
  • 2
    『SHOGUN 将軍』の成功は嬉しいが...岡田准一が目指すのは、真田広之とは「別の道」【独占インタビュー】
  • 3
    【世界を変える「透視」技術】数学の天才が開発...癌や電池の検査、石油探索、セキュリティゲートなど応用範囲は広大
  • 4
    アジアの豊かな国ランキング、日本は6位──IMF予測
  • 5
    90代でも元気な人が「必ず動かしている体の部位」と…
  • 6
    中国、米艦攻撃ミサイル能力を強化 米本土と日本が…
  • 7
    アベノミクス以降の日本経済は「異常」だった...10年…
  • 8
    中国、インドをWTOに提訴...一体なぜ?
  • 9
    【クイズ】世界で最も1人当たりの「ワイン消費量」が…
  • 10
    なぜ筋肉を鍛えても速くならないのか?...スピードの…
  • 1
    90代でも元気な人が「必ず動かしている体の部位」とは何か...血管の名医がたどり着いた長生きの共通点
  • 2
    アジアの豊かな国ランキング、日本は6位──IMF予測
  • 3
    『SHOGUN 将軍』の成功は嬉しいが...岡田准一が目指すのは、真田広之とは「別の道」【独占インタビュー】
  • 4
    ウクライナ水中ドローンが、ロシア潜水艦を爆破...「…
  • 5
    「食べ方の新方式」老化を防ぐなら、食前にキャベツ…
  • 6
    中国、インドをWTOに提訴...一体なぜ?
  • 7
    【過労ルポ】70代の警備員も「日本の日常」...賃金低…
  • 8
    海水魚も淡水魚も一緒に飼育でき、水交換も不要...ど…
  • 9
    批評家たちが選ぶ「2025年最高の映画」TOP10...満足…
  • 10
    アベノミクス以降の日本経済は「異常」だった...10年…
  • 1
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦載、海上での実戦試験へ
  • 2
    90代でも元気な人が「必ず動かしている体の部位」とは何か...血管の名医がたどり着いた長生きの共通点
  • 3
    人口減少が止まらない中国で、政府が少子化対策の切り札として「あるもの」に課税
  • 4
    アジアの豊かな国ランキング、日本は6位──IMF予測
  • 5
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした…
  • 6
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価…
  • 7
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だ…
  • 8
    「勇気ある選択」をと、IMFも警告...中国、輸出入と…
  • 9
    【衛星画像】南西諸島の日米新軍事拠点 中国の進出…
  • 10
    『SHOGUN 将軍』の成功は嬉しいが...岡田准一が目指…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中