ウォーシュ次期FRB議長候補、資産1億ドル超 21日公聴会で焦点に
写真は米連邦準備理事会(FRB)の次期議長に指名されたケビン・ウォーシュ氏。2017年5月、米ニューヨークで撮影。REUTERS/Brendan McDermid
Howard Schneider Michael S. Derby
[ワシントン 14日 ロイター] - 米連邦準備理事会(FRB)の次期議長に指名されたケビン・ウォーシュ氏が、上院公聴会に進むために必要な財務情報の開示書類を提出した。報告した資産は1億ドルを大幅に超え、承認されれば、FRB史上最も裕福な議長となる見通しだ。
米政府の倫理申告書では、資産が広範で時に不明確なカテゴリーで評価されるため、正確な純資産を推定するのは困難だ。
14日に公開されたウォーシュ氏の開示書類には、多くの空欄が目立つほか、承認された場合にFRBの倫理規定を順守するため一部資産を売却するとの誓約も含まれている。
ただ、69ページに及ぶ開示書類には、ジャガーノート・ファンドへの2件の投資(各5000万ドル以上と記載)や、ウォール街の大物スタンレー・ドラッケンミラー氏の投資事務所からのコンサルティング料1020万ドルなど、ウォーシュ氏の収入や保有資産が詳細に記されている。
ジャガーノート・ファンドへの投資は「既存の秘密保持契約により開示されていない」と注記が付されており、ウォーシュ氏は「承認された場合はこの資産を売却する」としている。
ウォーシュ氏の開示書類が21日に開催される上院銀行委員会の承認公聴会で焦点となることはほぼ確実だ。パウエル現FRB議長の任期は5月15日に終了する。
2022年に正式に制定されたFRBの倫理規定は、当局者およびその近親者が保有できる投資対象やその管理方法を厳しく制限している。銀行株や暗号資産(仮想通貨)関連資産の保有禁止などに加え、当局者による保有資産の売買方法も規制されている。
パウエル氏を大幅に上回るとみられるウォーシュ氏の資産は、議員らにとって審査プロセスが困難になる可能性を示唆している。ウォーシュ氏の財務状況は大多数の米国民の実情とは大きくかけ離れており、ベセント財務長官やラトニック商務長官といったトランプ政権高官の巨額資産により近い。
コロンビア大学ロースクールのキャスリン・ジャッジ教授は「ウォーシュ氏は富裕層で、強力な人脈を持つ」とし、「今回の開示は富と人脈がいかにしてさらなる富と人脈を生み出すかを示す一例だ」と指摘。
さらに「既存の秘密保持契約を理由に完全に開示されなかった多くの取り決めが最も注目される」とし、「これらの開示で疑問が残る場合、上院は公聴会を活用して判断に必要な情報を入手できるし、そうすべきだ」と述べた。
一部の議員がすでに承認プロセスにブレーキをかけているため、ウォーシュ氏が上院本会議でどれほど早く承認されるかは不透明だ。
上院銀行委員会のメンバーである共和党のトム・ティリス議員はFRB本部の改修工事に対するパウエル氏の監督責任を巡る司法省の調査が終了するまで、承認を阻止すると表明している。
また、同委員会の民主党トップであるエリザベス・ウォーレン議員は14日の声明で、「大統領がFRBの独立性を損なおうとしている間は、ケビン・ウォーシュ氏の指名に関する上院での公聴会や採決を行うべきではない」とし、「トランプ氏の操り人形を米国の中央銀行トップとして承認することは、上院にとって過ちとなるだろう」と述べた。





