焦点:米投資顧問、4─6月はリスク山積と警戒 株・債券同時安で分散に限界
ウォール街の看板。2020年3月9日、ニューヨークで撮影。REUTERS/Carlo Allegri
Suzanne McGee
[プロビデンス(ロードアイランド) 1日 ロイター] - 米国の投資アドバイザーらは、第2・四半期は中東紛争の結末からエネルギー価格の行方、プライベートクレジットが抱える問題の余波まで、リスクが山積だと警戒している。
1日は米国株が年初来で最も大幅に上昇したが、第1・四半期を通したリターンは2022年以来最悪で、S&P500種総合株価指数は4.6%下落した。
長年にわたり教科書的な分散投資が功を奏してきたが、現在は逆風が強すぎて経験則に確信が持てない状態だとアドバイザーらは言う。
VIPウェルス・アドバイザーズのマーク・スタンカート氏は「悪いニュースなら市場は対処できる」が、「厄介なのは政策の方向性と目的地が不透明なことだ。株価のボラティリティーのみならず、物事の結果全般がモデル化できないのが現状だ」と語った。
<株と債券が同時下落>
第1・四半期は株と債券がともに不振だった。10年物米国債利回りは、3月初旬の4.01%から月末には4.44%まで急上昇。安全資産とされる金でさえ3月は13%下落し、08年10月以来で最大の月間下落幅を記録した。
オメガ・ウェルス・マネジメントのアドバイザー、リサ・キルシェンバウアー氏は「これまで経験した中で最も困難な経済・市場状況の1つだ」と語る。
バラスト・ロック・プライベート・ウェルスのシニア・ウェルス・アドバイザー、ジム・キャロル氏は、第1・四半期は全般に比較的秩序立った相場下落だったが、その裏で日中のボラティリティーは拡大したと指摘した。
コンポジション・ウェルスのマット・ドミトリシン最高投資責任者(CIO)は、度重なる逆風で富裕層の心理が変化する可能性を懸念する。こうした層が支出を抑制し始めれば、経済全体に悪影響が及ぶ可能性があるからだ。
ドミトリシン氏は、こうした環境下では成長のエンジンが止まるリスクがあると指摘。そうなれば経済と市場は人工知能(AI)による生産性の向上や高所得層の消費にますます依存するが、どちらかが失速すれば「イランとの戦争の恐怖と影響による下落、そして米経済のリセッション(景気後退)に起因する下落という、2段階の株価下落に見舞われかねない」と語った。
セリアス・フィナンシャル・アドバイザーズのデービッド・ハース氏はスタグフレーションを警戒。「インフレ率が7%に達すると予想しているわけではないが、4%を上回る可能性は高い」のに加え、原油価格の上昇とサプライチェーンの混乱が「リセッションとは限らないにせよ、それに近い状態」を招くかもしれないと話した。
多くの専門家は株式と債券の「同時安」も大きな懸念材料だと語る。22年には両方が下落し、投資家が逃げ場を失った。
ウリン&コー・ウェルス・マネジメントのジョン・ウリン氏は「株式と債券が同時に下落したことで、投資家が何十年も頼ってきた『株式60:債券40』という分散投資の限界が露呈した」と語った。
多くのアドバイザーは、現在直面する問題の数と範囲の広さが最大の課題だと言う。
キルシェンバウアー氏は顧客に連絡しても返答がないと言い、「まひしているのか、圧倒されているのか、それとも恐怖で身がすくんでいるのだろうか」と案じていた。





