インタビュー:中東情勢長期化も視野、企業の資金繰り支援を徹底=全銀協新会長
写真はインタビューに応じる全国銀行協会の加藤勝彦(みずほ銀行頭取)新会長。3月24日、都内で撮影。REUTERS/Kentaro Okasaka
Miho Uranaka Kentaro Okasaka
[東京 1日 ロイター] - 全国銀行協会の加藤勝彦(みずほ銀行頭取)新会長は、緊迫化する中東情勢について、長期化も視野に銀行界として企業の資金繰り支援や相談対応を徹底する考えを示した。その上で、企業収益の改善などを背景に日本経済は力強さを取り戻しつつあり、金融機関が成長投資を後押しし、経済の潜在力を引き出す役割が一段と重要になるとの認識を示した。
加藤氏はロイターとのインタビューで、中東情勢を巡り「供給制約や急激なコスト上昇に直面する企業に寄り添い、資金繰りを含めて対応することが重要だ。全銀協としても周知徹底する」と強調。エネルギーの中東依存の高さから影響は広範に及ぶとし、「長期化するという構えの中で、しっかり取り組む」と述べた。
一部の事業者に、先行きの不確実性に備えた資金確保の動きがみられるとして、資金繰りや経営支援について、全銀協として政府・政策金融機関と連携して対応する方針だ。
加藤氏は中東情勢に限らずコロナ禍以降、不透明感の高まる局面が増えていると指摘。銀行による単なる資金供給にとどまらず、デジタルトランスフォーメーション(DX)支援やビジネスマッチング、M&A(合併・買収)、事業承継といった非金融面も含めた支援の重要性が増しているという。
こうした取り組みとともに、企業の成長を支える金融仲介機能の拡充・高度化も重点課題の一つとし、昨年度から始まった中長期のリスクマネー供給に向けた議論も進める。加藤氏は、資金面でも成長を後押しすることで「金融の力で日本経済の潜在力を解放し、順回転に乗せていくことを支援していく」と語った。
日本では、銀行貸出を軸とした資金調達環境は安定しているものの、長期・高リスクの投資を支えるリスクマネー供給は、欧米に比べて限定的とされる。
加藤氏は、リスクマネーの供給には、銀行自体がしっかりリスクを取ることが「一丁目一番地」と話す。ただ、銀行の信用創造モデルは預金を基盤とする以上、取り得るリスクには限界があり、生命保険会社のような長期マネー、プライベートデットファンドなど多様なプレーヤーが成長投資を支える構図が望ましいと説明。銀行以外の金融仲介プレーヤーとの連携や市場環境の整備が必要との認識を示した。
加藤氏は4月1日付で全銀協会長に就任した。
※インタビューは3月24日に実施しました。





