NY市場サマリー(31日)ドル下落、利回り低下 株大幅高
<為替> ドルが円やユーロなどの主要通貨に対して下落した。ドルにはこれまで中東緊迫化を背景に「有事の買い」が入っていたが、米国とイスラエルによるイランに対する軍事攻撃が当初の懸念ほど長期化しない可能性があるとの観測が出たことがドルの下落につながった。 終盤の取引でドル/円は0.55%安の158.84円。ただ、ドルは対円で月初からは1.8%上昇したほか、四半期ベースでは1.4%上昇した。円安が進めば政府・日銀が円買いの実弾介入に踏み切る可能性があるとの警戒感が高まっていることで、ニューヨーク時間の取引でドルは対円で2日連続で下落。 片山さつき財務相は31日の参院財政金融委員会で、原油先物市場に加え「為替市場でも投機的な動きが高まっている」と述べ、市場の動きをけん制。「為替が国民生活や経済に与える影響を踏まえ、あらゆる方面で万全の対応を取る」と述べ、政府・日銀に介入に踏み切る準備があると改めて強調した。片山氏の国会答弁に先立ち、財務省の三村淳財務官も30日に同様の見解を示したうえで、この状況が続けば「そろそろ断固たる措置が必要になる」と踏み込んだ。「断固たる措置」は実弾介入を指す。イラン情勢を巡っては、トランプ米大統領が原油輸送の要衝ホルムズ海峡がほぼ閉鎖されたままの状態でもイランに対する軍事作戦を終了し、海峡再開に向けた複雑な作戦は後日に先送りする用意があると側近に述べたと、米紙ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)が30日に報じた。ただ、この日はヘグセス米国防長官が、米国がイランの脅威を低減するための取り組みの大部分を担ってきたとし、原油輸送の要衝ホルムズ海峡の航行再開に向け他の国が一段と大きな役割を果たす必要があると述べたほか、イラン軍で大規模な離反が発生しているとし、中東情勢を巡り向こう数日間が決定的な局面になるとの考えを表明。イランの精鋭部隊「イスラム革命防衛隊(IRGC)」がイランに対する攻撃への報復として、4月1日以降に中東地域にある米企業を標的にすると表明し、マイクロソフト、グーグル、アップル、インテル、IBM、テスラ、ボーイングなど18社を挙げ、テヘラン時間4月1日の午後8時以降にイランで発生するテロ行為1件ごとに関連施設が破壊されると想定すべきだと警告するなど、中東情勢は鎮静化に向かっていないことを示す兆候も出ている。 スコシアバンクの為替ストラテジスト、ショーン・オズボーン氏は「誰がどのような発言をし、その発言が具体的にどのような意味を持つのか、把握するのが難しくなっている」と指摘。「交戦が長引く可能性のほか、戦闘が拡大するリスクや影響が深刻化し長期化することに対する懸念が高まっており、状況が最終的にどこへ向かうのか、不透明感がかなり強くなっている」と述べた。ドル相場については「過大評価されている」としながらも、中東情勢を見据えてリスク選好度が低下する中、「有事のドル買い」は続くとの見方を示した。米経済の状態を見極めようと、市場は米労働省が4月3日に発表する3月の雇用統計に注目。 労働省がこの日に発表した2月の雇用動態調査(JOLTS)では、求人件数が688万2000件と、前月から35万8000件減少したほか、採用件数は49万8000件減の484万9000件と、新型コロナウイルスのパンデミックが始まった2020年3月以来、約6年ぶりの低水準となった。イラン情勢を背景にした原油価格の上昇でインフレ懸念が高まり、米連邦準備理事会(FRB)による利下げ観測は後退しているが、労働市場が急速に悪化すれば、利下げ観測が再び強まる可能性がある。 終盤の取引で、ユーロ/ドルは0.68%高の1.1543ドル。英ポンド/ドルは0.33%高の1.3228ドル。主要通貨に対するドル指数は0.59%安の99.96。月初からは2.35%上昇し、1カ月の上昇率としては昨年7月以来の大きさとなった。四半期ベースでは1.7%上昇した。
NY外為市場:[USD/J]
<債券> 国債利回りが低下した。中東情勢の緊張緩和の可能性を示す報道に反応し、国債への需要が高まった。また、中東紛争が長引いた場合のインフレ期待よりも成長鈍化の見通しを投資家が重視する中、連邦準備理事会(FRB)の年内利下げをある程度織り込む動きが広がった。 午後の取引で10年債利回りは3.1ベーシスポイント(bp)低下の4.321%と、2営業日連続の低下となった。ただ、月間では35bp上昇し、24年12月以来の上昇幅となる見通しとなった。 金利動向に敏感な2年債利回りは3.3bp低下の3.795%。月間ベースでは42bp上昇し、24年10月以来の上昇幅となった。 SMBC日興証券の金利戦略部門責任者、ジョセフ・アベート氏は、「市場は織り込みを修正しており、金利上昇への懸念から離れつつある」とし、イラン戦争開始後の最初の数週間、金利市場はある程度の引き締めが行われるとみていたものの、その後、その織り込みを解消したと指摘。「現時点では、小幅な利下げが織り込まれている。FRBはインフレショックを一時的なものとし、石油・ガソリン価格上昇による需要破壊の方に注視する傾向がある」と述べた。 LSEGによると、米金利先物市場はFRBが年内に約7bpの利下げに動くとの見方を織り込んでいる。30日には10bpの利上げが実施されるとみていた。トランプ大統領が30日、原油輸送の要衝ホルムズ海峡がほぼ閉鎖されたままの状態でもイランに対する軍事作戦を終了し、海峡再開に向けた複雑な作戦は後日に先送りする用意があると述べたとの報道も米国債の支えとなった。 ミシュラー・ファイナンシャル・グループのマネージング・ディレクター、トム・ディ・ガロマ氏は「米国がホルムズ海峡の制圧から手を引きつつあり、トランプ政権がイランに対する強硬姿勢を緩和しようとしているという印象が高まっている」ことが、国債買いにつながったと述べた。 他の年限では、30年国債利回りが1.7bp低下の4.889%。 2年債と10年債の利回り格差は51bp。一時53.6bpと3月17日以来の大きさに拡大した。
米金融・債券市場:[US/BJ]
<株式> 中東における緊張緩和への期待を追い風に、大幅高で取引を終えた。トランプ米大統領が、原油輸送の要衝ホルムズ海峡がほぼ閉鎖されたままでもイランに対する軍事作戦を終了する用意があると側近に伝えたとの米紙ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)の30日の報道を受け、主要株価3指数が上昇した。nL6N40I09Vヘグセス米国防長官は31日、イランとの戦争で向こう数日間が決定的な局面になるとの考えを示し、同国が合意に至らなければ紛争は激化すると警告した。nL6N40J1JQ USバンク・ウェルス・マネジメントのシニア投資ディレクター、ビル・ノーシー氏は「きょうは早期の出口、あるいは敵対行為の停止に関する憶測が見られる」とし、「詳細は不明だが、市場はホルムズ海峡のエネルギー輸送がより正常化する可能性を示す兆候を常に探っている」と述べた。 燃料価格の高騰がモノやサービスの需要を圧迫し、米連邦準備理事会(FRB)がインフレ抑制に向けて利上げを迫られるとの懸念を背景に、S&P総合500種とダウ工業株30種は四半期として2022年以来の大幅な下落率を記録した。 この日は大型株が軒並み買われ、エヌビディアが5.6%、アルファベットが5.1%、メタ・プラットフォームズが6.7%、それぞれ上昇した。 フィラデルフィア半導体指数は6.2%高とほぼ1年ぶりの大幅な上昇率となった。 S&P500とダウ、ナスダック総合は、米中の関税一時休戦に市場が反応した2025年5月以来最大の上昇率を記録した。 第1・四半期はS&P500が4.6%、ナスダックが7.1%、それぞれ下落。ダウは3.6%安となった。 個別銘柄ではコアウィーブが12%急伸。人工知能(AI)インフラ拡張に向けて85億ドルの融資を確保した。半導体のマーベル・テクノロジーも、エヌビディアによる20億ドルの投資を受けて約12%高となった。英日用品大手ユニリーバは食品事業を分離し、スパイスメーカー大手マコーミックと統合することで合意した。マコーミックは6.1%安。nL6N40J1GY コンステレーション・エナジーは6.5%下落。今年の利益見通しが市場予想を下回ったことを嫌気した。
米国株式市場:[.NJP]
<金先物> 中東紛争の影響による根強いインフレ懸念や金利上昇観測が重しとなり、月間では2008年10月以来の大幅な下落基調にあるものの、中東情勢の緊張緩和への期待から買いが入り、上昇した。
米金先物の清算値は2.7%高の1オンス=4678.60ドルだった。
金現物は1731GMT(日本時間1日午前2時31分)時点で3.2%高の1オンス=4652.31ドルと、3月20日以来の高値を付けた。
ゼイナーメタルズのバイスプレジデント兼シニアメタルストラテジスト、ピーター・グラント氏は「中東情勢の緊張緩和への楽観が強まったことが現在の金の上昇要因だ」と指摘した。米紙ウォール・ストリート・ジャーナルは政権高官の話として、トランプ大統領がホルムズ海峡がほぼ閉鎖されたままでもイランに対する軍事作戦を終了する意向だと報じた。一方、ヘグセス米国防長官は対イラン戦争について今後数日が決定的になるとし、イランが合意しなければ紛争は激化すると警告した。
NY貴金属:[GOL/XJ]
<米原油先物> 米国時間の原油市場では、北海ブレント原油先物6月限が3ドル以上下落した。未確認の報道によると、イラン大統領が一定の保証が設けられれば戦争を終結させる用意があると述べた。この日が売買最終日となるブレント5月限は月間で最大の上昇幅を更新する勢いだった。清算値は、北海ブレント先物6月限が3.42ドル安の1バレル=103.97ドル。ブレント原油先物5月限は5.57ドル(4.94%)高の1バレル=118.35ドルとなった。一方、米WTI先物は1.50ドル(1.46%)安の1バレル=101.38ドルだった。ブルームバーグなどのメディアは、イランのペゼシュキアン大統領が、イランは条件付きながら戦争を終結させる用意があると述べたと報じた。LSEGのデータによると、ブレント原油の期近先物価格は3月に月間上昇率64%という記録的な上昇率を記録した。米国の指標となるWTIも同月に約52%上昇し、20年5月以来最大の伸びを記録した。アゲイン・キャピタルのパートナーであるジョン・キルダフ氏は「イラン大統領の発言とされる報道によって、市場の落とし穴が再び開いた。もし戦争が即座に終結すれば、ホルムズ海峡が再開され、市場に供給が戻り、価格に積み上がっていたリスクプレミアムの多くが解消されるだろう」と述べた。
NYMEXエネルギー:[CR/USJ]
ドル/円 NY終値 158.71/158.
73
始値 159.73
高値 159.76
安値 158.67
ユーロ/ドル NY終値 1.1552/1.15
55
始値 1.1459
高値 1.1563
安値 1.1458
米東部時間
30年債(指標銘柄) 17時05分 97*16.0 4.9101
0 %
前営業日終値 97*18.0 4.9060
0 %
10年債(指標銘柄) 17時05分 98*14.5 4.3186
0 %
前営業日終値 98*08.5 4.3420
0 %
5年債(指標銘柄) 17時05分 99*22.5 3.9410
0 %
前営業日終値 99*17.0 3.9790
0 %
2年債(指標銘柄) 17時05分 100*05. 3.7909
13 %
前営業日終値 100*02. 3.8280
88 %
終値 前日比 %
ダウ工業株30種 46341.51 +1,125. +2.49
37
前営業日終値 45216.14
ナスダック総合 21590.63 +795.99 +3.83
前営業日終値 20794.64
S&P総合500種 6528.52 +184.80 +2.91
前営業日終値 6343.72
COMEX金 6月限 4678.6 +121.1
前営業日終値 4557.5
COMEX銀 5月限 7491.9 +435.0
前営業日終値 7056.9
北海ブレント 5月限 118.35 +5.57
前営業日終値 112.78
米WTI先物 5月限 101.38 ‐1.50
前営業日終値 102.88
CRB商品指数 372.4188 +1.1336
前営業日終値 371.2852





