UBS、来年の銅価格上昇予想 鉱山からの供給混乱で不足も需要増
写真は銅棒のコイル。8月14日、中国江西省甘州市のWellascent工場で撮影。REUTERS/Florence Lo
[24日 ロイター] - スイス金融大手UBSは21日付のノートで、銅価格が来年、上昇すると予想した。鉱山業界の長引く混乱で供給が不足する一方、電化や再生可能エネルギーからの長期需要が堅調で、価格が押し上げられると指摘した。
同行は、2026年3月の銅価格予想を1トン=1万1500ドルと、従来予想から750ドル引き上げた。6月は1万2000ドル、9月は1万2500ドル、12月は1万3000ドルとした。
世界の銅需給見通しについては、25年は23万トンの不足(従来予想は5万3000トン不足)、26年は40万7000トン不足(同8万7000トン不足)と、不足幅を拡大。在庫減少や長引く供給リスクにより需給が逼迫するとした。
同行は、米鉱山大手フリーポート・マクモランがインドネシアに保有するグラスバーグ鉱山の生産問題やチリの生産回復鈍化、ペルーの再三の抗議活動など一連の混乱が、26年まで続く可能性の高い鉱山業界の構造的な供給制約を浮き彫りにしたと指摘した。
精錬銅の生産の伸びについては、鉱石品位(鉱物含有量)の低下や操業上の問題などを背景に、25年は1.2%、26年は2.2%に下方修正した。一方で、世界の銅需要は25、26年ともに2.8%増と予想。電気自動車(EV)や再エネ、送電網、データセンターなどによって需要が支えられると分析した。





