トランプ氏の薬価引き下げ大統領令、PBMに打撃 株価下落
Amina Niasse
[ニューヨーク 12日 ロイター] - トランプ米大統領は12日、薬価引き下げに向けた大統領令に署名した。国内の薬価を他国と同水準まで下げる目標の一環として、薬価交渉を担う薬剤給付管理(PBM)を排除するとしており、PBM事業を手掛ける企業に打撃となりそうだ。
トランプ氏は記者会見で「中間業者を排除し、最恵国待遇薬価での米国民への直接販売を促進する」と述べた。
大統領令は、患者がより多くの医薬品をメーカーから直接購入できるようにする仕組みを厚生省が構築するとしている。
PBM事業を傘下に持つCVSヘルスの株価は3.2%、ユナイテッドヘルス・グループは0.5%、シグナは3%、それぞれ下落した。
製薬業界は、アフターマーケットの割引や手数料が薬価に隠れたコストを上乗せしているとして、高水準の薬価はPBMに原因があると非難している。
一方、業界団体である薬剤給付管理協会(PCMA)のグレッグ・ロペス広報担当副社長は、問題は製薬会社にあり、PBMは製薬会社の無制限の価格決定力に対する唯一のチェック役だと述べた。