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「裏切り」「侮辱」、米関税にカナダ国民反発 旅行中止や商品不買

2025年02月03日(月)20時52分

 トランプ米大統領が1日、カナダからの輸入品に追加関税を課すと発表したことを受け、カナダ国民の間では米国旅行を取りやめたり、酒など米国産製品をボイコットする動きが出ている。写真は、関税措置に対抗し、「Buy Canadian Instead(代わりにカナダ製品を買おう)」と書かれた看板。2月2日、バンクーバーで撮影(2025年 ロイター/Chris Helgren)

Anna Mehler Paperny Amanda Stephenson Ed White

[トロント/カルガリー/ウィニペグ 3日 ロイター] - トランプ米大統領が1日、カナダからの輸入品に追加関税を課すと発表したことを受け、カナダ国民の間では米国旅行を取りやめたり、酒など米国産製品をボイコットする動きが出ている。スポーツイベントでも米国国歌の演奏にブーイングが出た。

文化的にも地理的にも米国に非常に近い国に対する追加関税発動を、多くのカナダ人は経済戦争行為とみなし衝撃を受けた。

国境の都市ウィンザー。米デトロイトにつながるアンバサダー橋は、毎日約4億カナダドル(2億7200万ドル)相当の貿易品が行き来する。追加関税の余波は人口24万人のウィンザーにすぐに出てくることが予想される。ディルケンズ市長はインタビューで「トランプ氏は世界秩序を再構築したいようだ」と語り、「彼は最も近い同盟国から始めるつもりだ。カナダにこのようなことをするなら、他の国には何をするつもりなのか」と述べた。

カナダで最も人口の多いオンタリオ州のフォード首相は、州の酒類販売を管理する専売公社に小売店の店頭から米国産の酒を4日までに撤去するよう命じた。

トルドー首相は1日、米国製品1550億カナダドル(1070億米ドル)相当の報復関税を発表。国民に地元で買い物をし、カナダで休暇を過ごすよう促した。

マニトバ州のキニュー首相は記者会見で「これは米国民との争いではないと認識する必要があると思う。多くの家族にとって、北緯49度線の向こう側にいる親戚は今でも友人であり親戚だ」と述べ冷静な対応を呼びかけた。

しかし、国民の間では反発が広がる。ブリティッシュコロンビア州在住のマイク・デイビスさん(64歳)は、トランプ大統領がソーシャルメディアにカナダを51番目の州として吸収するという投稿したことにも憤る。

「米国人がカナダを侮辱するのは腹立たしい。カナダ人全員がうんざりしているのではないか。(関税は)裏切り行為だと思う」と語った。

デイビスさんは、フェイスブックで米国製品のボイコットを奨励するグループを立ち上げた。ネットフリックスを解約し、アマゾンも使わないようにしている。ノースカロライナ州の友人を訪問する計画も取りやめ、「アメリカには行くつもりはない」と語った。

カルガリー在住のケン・リマ・コエーリョさんは、関税のニュースが家族にカナダ人としての誇りをもたらしたと語った。19歳の息子は、欧州旅行用のバックパックにカナダ国旗を縫い付けることにしており、娘は1日夜、台所で国産食品をストックしていたという。

「隣国の政権との政治的泥沼状態は、どうすることもできないが、買う歯磨き粉を変えることはできる。政財界のリーダーが解決するまで、自分たちでできることもある」と語った。

トランプ関税はスポーツの世界にも影を落とした。1日夜、オタワで開催されたアイスホッケーのオタワ・セネターズとミネソタ・ワイルドの試合。開始前に米国国歌が演奏されると、カナダ側からブーイングが出た。2日の全米プロバスケットボール(NBA)のトロント・ラプターズとロサンゼルス・クリッパーズの試合でも同様なブーイングがテレビ中継で映し出されていた。

ロイター
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