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NY外為市場=ドル小幅高、来週のCPIに注目

2024年05月11日(土)06時30分

終盤のニューヨーク外為市場では、ドルが小幅上昇した。2020年1月撮影(2024年 ロイター/Dado Ruvic)

Chuck Mikolajczak

[ニューヨーク 10日 ロイター] - 終盤のニューヨーク外為市場では、ドルが小幅上昇した。連邦準備理事会(FRB)当局者の一連の発言が消化される中、来週発表される4月の消費者物価指数(CPI)が注目されている。

米ミシガン大学が発表した5月の消費者信頼感指数(速報値)は、67.4と6カ月ぶりの低水準に落ち込み、ロイターがまとめたエコノミスト予想の76.0も下回った。

主要通貨に対するドル指数は0.09%高の105.31。ユーロ/ドルは0.08%安の1.0772ドルとなった。

市場では、来週発表される米CPIや卸売物価指数(PPI)、小売売上高などの経済指標が注目されている。

バノックバーン・グローバル・フォレックスのチーフ市場ストラテジスト、マーク・チャンドラー氏は「CPIで全般的な見方が変わるとは思わない。物価上昇圧力は高止まりしているものの、下落傾向が示され、前年比で見ると弱い内容になるだろう」とし、「重要なのは、数字ではなく方向性だ」と述べた。

この日はダラス地区連銀のローガン総裁が、FRBの政策金利がインフレ率の2%目標回帰に向けて十分制約的であるかは不明で、利下げは時期尚早と発言。ドル支援要因になった。

一方、アトランタ地区連銀のボスティック総裁は、利下げの時期と幅は不透明なものの、インフレ率の低下が緩やかであっても、FRBは年内に利下げする公算が大きいと指摘。シカゴ地区連銀のグールズビー総裁は、FRBの金融政策は「比較的引き締め的」との見方を示した。

CMEフェドウオッチによると、先週の予想を下回る米雇用統計のほか、FRBの政策発表を受け、市場では年内計約50ベーシスポイント(bp)の利下げが織り込まれており、9月に少なくとも25bpの利下げが行われる確率は62.2%となっている。

ドル/円は0.26%高の155.86円。週初からは約1.9%上昇した。前週は政府・日銀による介入と思われる動きを受け、ドルは対円で3.4%下落していた。

ポンド/ドルは0.02%高の1.2525ドル。10日発表の英国の第1・四半期の国内総生産(GDP)は前期比0.6%増と、2021年第4・四半期以来の大きさとなり、23年下半期の緩やかな景気後退から脱却したことが示された。

ドル/円 NY終値 155.72/155.75

始値 155.73

高値 155.90

安値 155.61

ユーロ/ドル NY終値 1.0769/1.0773

始値 1.0777

高値 1.0789

安値 1.0761

ロイター
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