自動車大手ステランティス、激しい値下げ競争回避で買収防止
1月19日、欧米自動車大手ステランティスのカルロス・タバレスCEO(写真)は、価格競争に巻き込まれることを回避しなければならないとの認識を示した。ラスベガスで2023年1月に開催されたCESで撮影(2024年 ロイター/Steve Marcus)
[ミラノ 19日 ロイター] - 欧米自動車大手ステランティスのカルロス・タバレス最高経営責任者(CEO)は19日、価格競争に巻き込まれることを回避しなければならないとの認識を示した。そうしなければ、結果的に多くの自動車メーカーが買収の標的になりかねないと危機感を示した。
タバレス氏は、ステランティスは価格競争から比較的守られているとの認識を示し、価格競争は持続的な損失を招き、買収標的のリスクにさらされ、一部のライバル企業を「経営困難な」状況に陥る可能性があると批判。その上で、「実際にかかるコストを無視して値下げに踏み切れば、大惨事に陥ることになる」と警告した。
米テスラは今週、欧州で販売する電気自動車(EV)の「モデルY」の価格を引き下げた。1週間前には中国でもEV需要が不透明として値下げを決めた。
タバレス氏はまた、紅海の運航障害に伴う深刻な影響は見られないと述べた。
テスラとスウェーデン高級車大手ボルボ・カーは、紅海での運航問題による部品不足で、欧州での生産を一部停止すると表明。一方、ステランティスはこれまで、空輸で一時的な船舶の運航障害に対応すると説明していた。
タバレス氏は、紅海の運航障害で同社の調達戦略が変わることはないとし、手頃な価格で自動車を販売するには、極東からの部品調達が重要になると述べた。