米財務省、11─1月期の国債入札規模を拡大 長期債増額は小幅に
米財務省は1日、2023年11月─2024年1月の四半期に行われる国債入札規模を増額させると発表した。長期債の増額は小幅なものとなり、市場には安心感が広がった。2018年8月撮影(2023年 ロイター/Brian Snyder)
[1日 ロイター] - 米財務省は1日、2023年11月─2024年1月の四半期に行われる国債入札規模を増額させると発表した。長期債の増額は小幅なものとなり、市場には安心感が広がった。ただ、この後、さらに1四半期は増額が必要になるとの見通しも示した。
2年債と5年債の入札規模を月額30億ドル、3年債を同20億ドル、7年債を同10億ドル増額する。
10年債新発およびリオープン債の増額規模は20億ドル。前回の増額規模は30億ドルだった。30年債新発およびリオープン債の増額は同10億ドルとなる。前回の増額規模は20億ドルだった。20年債の入札規模は変更されない。
また2年変動利付債の新発およびリオープン債の入札規模を20億ドル増額する。一部の物価連動国債(TIPS)の入札規模も拡大され、12月の5年物TIPSおよび1月の10年物TIPSで10億ドル増額となる。
一方、財務省は12月初旬までに短期証券(Tビル)入札の「小幅な減額」を実施する。この減額は1月中旬から下旬まで維持される見通し。Tビル入札は11月下旬までは現行水準で実施される。
財務省は米連邦準備理事会(FRB)による利上げや量的引き締め(QT)に起因する連邦債務の利払い増加などを受けた財政赤字の増大に対応するため入札規模を拡大してきた。ただ、自然災害により一部の州で先送りされていた所得税が支払われ始めているため、この日発表された国債入札規模は予想を下回った。
国債利回りは、増額幅が一部で懸念されていたほど大きくないという安心感から低下した。
アネックス・ウェルス・マネジメントのチーフエコノミスト、ブライアン・ジェイコブセン氏は「懸念されていたほど悪くはなかった。増額されるのはあと1四半期だけかもしれないというガイダンスは、いくらか安心感を与えるものだった」と語った。
米財務省は10月30日、第4・四半期の借り入れ予想額は7760億ドルで、7月時点の見積もりから760億ドル少なくなると発表していた。