ニュース速報
ビジネス

米財務省、11─1月期の国債入札規模を拡大 長期債増額は小幅に

2023年11月02日(木)05時26分

米財務省は1日、2023年11月─2024年1月の四半期に行われる国債入札規模を増額させると発表した。長期債の増額は小幅なものとなり、市場には安心感が広がった。2018年8月撮影(2023年 ロイター/Brian Snyder)

[1日 ロイター] - 米財務省は1日、2023年11月─2024年1月の四半期に行われる国債入札規模を増額させると発表した。長期債の増額は小幅なものとなり、市場には安心感が広がった。ただ、この後、さらに1四半期は増額が必要になるとの見通しも示した。

2年債と5年債の入札規模を月額30億ドル、3年債を同20億ドル、7年債を同10億ドル増額する。

10年債新発およびリオープン債の増額規模は20億ドル。前回の増額規模は30億ドルだった。30年債新発およびリオープン債の増額は同10億ドルとなる。前回の増額規模は20億ドルだった。20年債の入札規模は変更されない。

また2年変動利付債の新発およびリオープン債の入札規模を20億ドル増額する。一部の物価連動国債(TIPS)の入札規模も拡大され、12月の5年物TIPSおよび1月の10年物TIPSで10億ドル増額となる。

一方、財務省は12月初旬までに短期証券(Tビル)入札の「小幅な減額」を実施する。この減額は1月中旬から下旬まで維持される見通し。Tビル入札は11月下旬までは現行水準で実施される。

財務省は米連邦準備理事会(FRB)による利上げや量的引き締め(QT)に起因する連邦債務の利払い増加などを受けた財政赤字の増大に対応するため入札規模を拡大してきた。ただ、自然災害により一部の州で先送りされていた所得税が支払われ始めているため、この日発表された国債入札規模は予想を下回った。

国債利回りは、増額幅が一部で懸念されていたほど大きくないという安心感から低下した。

アネックス・ウェルス・マネジメントのチーフエコノミスト、ブライアン・ジェイコブセン氏は「懸念されていたほど悪くはなかった。増額されるのはあと1四半期だけかもしれないというガイダンスは、いくらか安心感を与えるものだった」と語った。

米財務省は10月30日、第4・四半期の借り入れ予想額は7760億ドルで、7月時点の見積もりから760億ドル少なくなると発表していた。

ロイター
Copyright (C) 2023 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

北朝鮮の金与正氏、日米韓の軍事訓練けん制 対抗措置

ワールド

ネパール、暫定首相にカルキ元最高裁長官 来年3月総

ワールド

ルイジアナ州に州兵1000人派遣か、国防総省が計画

ワールド

中国軍、南シナ海巡りフィリピンけん制 日米比が合同
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:世界が尊敬する日本の小説36
特集:世界が尊敬する日本の小説36
2025年9月16日/2025年9月23日号(9/ 9発売)

優れた翻訳を味方に人気と評価が急上昇中。21世紀に起きた世界文学の大変化とは

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    科学が解き明かす「長寿の謎」...100歳まで生きる人に共通する特徴とは?
  • 2
    「二度見した」「小石のよう...」マッチョ俳優ドウェイン・ジョンソンの、あまりの「激やせぶり」にネット騒然
  • 3
    【クイズ】次のうち、飲むと「蚊に刺されやすくなる」飲み物はどれ?
  • 4
    「最悪」「悪夢だ」 飛行機内で眠っていた女性が撮影…
  • 5
    「中野サンプラザ再開発」の計画断念、「考えてみれ…
  • 6
    電車内で「ウクライナ難民の女性」が襲われた驚愕シ…
  • 7
    【クイズ】世界で唯一「蚊のいない国」はどこ?
  • 8
    【クイズ】世界で最も「火山が多い国」はどこ?
  • 9
    村上春樹は「どの作品」から読むのが正解? 最初の1…
  • 10
    腹斜筋が「発火する」自重トレーニングとは?...硬く…
  • 1
    「4針ですかね、縫いました」日本の若者を食い物にする「豪ワーホリのリアル」...アジア出身者を意図的にターゲットに
  • 2
    【クイズ】世界で唯一「蚊のいない国」はどこ?
  • 3
    「中野サンプラザ再開発」の計画断念、「考えてみれば当然」の理由...再開発ブーム終焉で起きること
  • 4
    「我々は嘘をつかれている...」UFOらしき物体にミサ…
  • 5
    【クイズ】次のうち、飲むと「蚊に刺されやすくなる…
  • 6
    科学が解き明かす「長寿の謎」...100歳まで生きる人…
  • 7
    埼玉県川口市で取材した『おどろきの「クルド人問題…
  • 8
    「二度見した」「小石のよう...」マッチョ俳優ドウェ…
  • 9
    【クイズ】世界で1番「島の数」が多い国はどこ?
  • 10
    「最悪」「悪夢だ」 飛行機内で眠っていた女性が撮影…
  • 1
    「4針ですかね、縫いました」日本の若者を食い物にする「豪ワーホリのリアル」...アジア出身者を意図的にターゲットに
  • 2
    【クイズ】世界で唯一「蚊のいない国」はどこ?
  • 3
    「まさかの真犯人」にネット爆笑...大家から再三「果物泥棒」と疑われた女性が無実を証明した「証拠映像」が話題に
  • 4
    信じられない...「洗濯物を干しておいて」夫に頼んだ…
  • 5
    「レプトスピラ症」が大規模流行中...ヒトやペットに…
  • 6
    「あなた誰?」保育園から帰ってきた3歳の娘が「別人…
  • 7
    「自律神経を強化し、脂肪燃焼を促進する」子供も大…
  • 8
    「中野サンプラザ再開発」の計画断念、「考えてみれ…
  • 9
    プール後の20代女性の素肌に「無数の発疹」...ネット…
  • 10
    将来ADHDを発症する「幼少期の兆候」が明らかに?...…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中