ニュース速報
ビジネス
米メルク、医薬品価格交渉計画の差し止め求め米政府を提訴
6月6日、米製薬大手メルクは、高齢者向け公的医療保険(メディケア)の対象となる医薬品の価格を交渉で決める米政府の計画について、合衆国憲法に違反しているとして差し止めを求めてワシントンの連邦地方裁判所に提訴した。ニュージャージー州ケニルワースで2021年11月撮影(2023年 ロイター/Andrew Kelly)
[ニューヨーク 6日 ロイター] - 米製薬大手メルクは6日、高齢者向け公的医療保険(メディケア)の対象となる医薬品の価格を交渉で決める米政府の計画について、合衆国憲法に違反しているとして差し止めを求めてワシントンの連邦地方裁判所に提訴した。医薬品価格を交渉で決める制度はインフレ抑制法(IRA)に盛り込まれている。
製薬業界は、IRAに基づく価格交渉制度が導入されれば、結果として利益が失われ、画期的な新薬の開発が後退を余儀なくされると主張。メルクは製薬会社として初めて同法に異議を申し立てる訴訟に踏み切り、「これは交渉ではなく、強要に等しい」と訴えた。
一方でバイデン政権は、メディケアの対象となる医薬品の価格交渉を通じて2031年までに医療費を年間250億ドル節減することを目指している。
ホワイトハウスのジェンピエール報道官は6日の声明で「製薬大手は通常、全く同じ薬に対して外国の何倍もの料金を米国民に支払わせている」と指摘。「われわれは裁判で勝利すると確信している。憲法には、メディケアで医薬品の価格を引き下げる交渉を阻む条項は存在しない」とした。
メルクは、必要であれば最高裁まで争うと表明した。