ニュース速報

ビジネス

シンガポールGDP、第1四半期は前期比マイナス 景気後退リスク

2023年05月25日(木)11時48分

 シンガポール貿易産業省が5月25日発表した第1・四半期の国内総生産(GDP)改定値は前年比0.4%増と、伸び率は速報値の0.1%から上方改定された。 2020年11月、同国の港で撮影(2023年 ロイター/Edgar Su)

[シンガポール 25日 ロイター] - シンガポール貿易産業省が25日発表した第1・四半期の国内総生産(GDP)改定値は前期比でマイナス成長に転じた。世界経済の見通しが弱まり、主要貿易相手国の中国も新型コロナウイルス禍後の回復に苦戦する中、リセッション(景気後退)のリスクが高まった。

GDPは前年比では0.4%増と、速報値の0.1%増から上方改定された。

一方、季節調整済みの前期比では0.4%減。2022年第4・四半期の0.1%増からマイナスに転じた。第2・四半期もマイナスなら、2四半期連続のマイナス成長で定義されるテクニカルリセッションに陥る。

メイバンクのエコノミスト、チュア・ハク・ビン氏は、中国経済再開による押し上げ効果が第2・四半期になければ、テクニカルリセッションがあり得ると指摘。中国人観光客の戻りは今のところ小規模だと述べた。

貿易産業省は年内のテクニカルリセッションを予想していないとしながらも、年末までの外需見通しは弱まったとの認識を示した。

同省のチーフエコノミストは、今年前半は四半期成長率が低迷するものの、その後は勢いが回復するとの見通しを示した。

同時に「下振れリスクや見通しの悪化を踏まえると、前期比でマイナス成長になる四半期が年内に出てくる可能性は排除できない」と述べた。

一方、シンガポール金融管理局(MAS、中央銀行)は、現行の金融政策は適切としつつ、経済成長とインフレ双方の動向を注視していると表明した。

MASは21年10月から5回連続で引き締めを決定したが、今年4月は金融政策の現状維持を決めた。

貿易産業省は23年のGDP成長率予測を0.5─2.5%に据え置き、レンジ半ば付近の成長率になる可能性が高いとした。

メイバンクのチュア氏は、成長率予測の据え置きは意外だったとし、「われわれはさほど楽観的ではない。今後数四半期で経済が回復ではなく停滞するとみている」と述べた。

ロイター
Copyright (C) 2023 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

半導体への関税率、EUに「劣後しないこと」を今回の

ワールド

米政権、ハーバード大の特許権没収も 義務違反と主張

ビジネス

中国CPI、7月は前年比横ばい PPI予想より大幅

ワールド

米ロ首脳、15日にアラスカで会談 ウクライナ戦争終
MAGAZINE
特集:Newsweek Exclusive 昭和100年
特集:Newsweek Exclusive 昭和100年
2025年8月12日/2025年8月19日号(8/ 5発売)

現代日本に息づく戦争と復興と繁栄の時代を、ニューズウィークはこう伝えた

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    イラン人は原爆資料館で大泣きする...日本人が忘れた「復讐の技術」とは
  • 2
    これぞ「天才の発想」...スーツケース片手に長い階段の前に立つ女性が取った「驚きの行動」にSNSでは称賛の嵐
  • 3
    輸入医薬品に250%関税――狙いは薬価「引き下げ」と中印のジェネリック潰し
  • 4
    伝説的バンドKISSのジーン・シモンズ...75歳の彼の意…
  • 5
    なぜ「あなたの筋トレ」は伸び悩んでいるのか?...筋…
  • 6
    【クイズ】次のうち、「軍用機の保有数」で世界トッ…
  • 7
    職場のメンタル不調の9割を占める「適応障害」とは何…
  • 8
    60代、70代でも性欲は衰えない!高齢者の性行為が長…
  • 9
    今を時めく「韓国エンタメ」、その未来は実は暗い...…
  • 10
    メーガン妃の「盗作疑惑」...「1点」と語ったパメラ・…
  • 1
    「週4回が理想です」...老化防止に効くマスターベーション、医師が語る熟年世代のセルフケア
  • 2
    こんな症状が出たら「メンタル赤信号」...心療内科医が伝授、「働くための」心とカラダの守り方とは?
  • 3
    デンマークの動物園、飼えなくなったペットの寄付を呼びかけ ライオンのエサに
  • 4
    デカすぎ...母親の骨盤を砕いて生まれてきた「超巨大…
  • 5
    山道で鉢合わせ、超至近距離に3頭...ハイイログマの…
  • 6
    イラン人は原爆資料館で大泣きする...日本人が忘れた…
  • 7
    メーガンとキャサリン、それぞれに向けていたエリザ…
  • 8
    職場のメンタル不調の9割を占める「適応障害」とは何…
  • 9
    【クイズ】次のうち、「軍用機の保有数」で世界トッ…
  • 10
    こんなにも違った...「本物のスター・ウォーズ」をデ…
  • 1
    「週4回が理想です」...老化防止に効くマスターベーション、医師が語る熟年世代のセルフケア
  • 2
    こんな症状が出たら「メンタル赤信号」...心療内科医が伝授、「働くための」心とカラダの守り方とは?
  • 3
    その首輪に書かれていた「8文字」に、誰もが言葉を失った
  • 4
    デンマークの動物園、飼えなくなったペットの寄付を…
  • 5
    デカすぎ...母親の骨盤を砕いて生まれてきた「超巨大…
  • 6
    ウォーキングだけでは「寝たきり」は防げない──自宅…
  • 7
    頭はどこへ...? 子グマを襲った「あまりの不運」が…
  • 8
    山道で鉢合わせ、超至近距離に3頭...ハイイログマの…
  • 9
    12歳の娘の「初潮パーティー」を阻止した父親の投稿…
  • 10
    幸せホルモン「セロトニン」があなたを変える──4つの…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中