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中国4月物価統計、CPIは約2年ぶり低い伸び PPI下げ加速

中国国家統計局が11日発表した4月の消費者物価指数(CPI)は前年比0.1%上昇した。伸び率は前月の0.7%から鈍化し、ロイターがまとめた市場予想(0.4%上昇)を下回った。写真は、北京市内の集荷センターでの様子。2020年11月11日に撮影。(2023年 ロイター/Tingshu Wang)
[北京 11日 ロイター] - 中国国家統計局が11日発表した4月の物価統計では、消費者物価指数(CPI)が約2年ぶりの低い伸びにとどまり、生産者物価指数(PPI)は下落率が拡大した。新型コロナウイルスの厳格な感染防止措置の解除後も、景気回復はまだら模様であることが鮮明になり、当局による追加刺激策の必要性を裏付ける内容となった。
CPIは前年同月比0.1%上昇し、2021年2月以来の低い伸びだった。伸び率は前月の0.7%から鈍化し、ロイターがまとめた市場予想(0.4%上昇)を下回った。
生産者物価指数(PPI)は前年比3.6%下落した。下落率は20年5月以来の大きさで、前月の2.5%下落から下げ足が加速した。マイナスは7カ月連続。市場予想は3.2%下落だった。
物価統計を受けて、中国人民銀行(中央銀行)には利下げ実施や金融システムへの流動性供給拡大への圧力が強まる可能性がある。人民銀は3月、今年初めての預金準備率引き下げを実施。中国当局は、四大国有銀行に一部の預金金利上限を引き下げるよう指示している。
野村の中国担当チーフエコノミスト、ティン・ルー氏は「コロナ後の景気回復の鈍さ、人民銀の預金金利引き下げガイダンス、ディスインフレ、市場金利の低下、米連邦準備理事会(FRB)の利上げ停止シグナルを踏まえ、人民銀が政策金利の貸出金利を引き下げる可能性が高まっているとわれわれは引き続き考えている」と語った。