(2段落目の記述を明確にしました)

[東京 3日 ロイター] - 三井住友銀行の福留朗裕頭取はロイターとのインタビューで、米国での事業戦略について「緩めることはない」とし、米銀破綻などで信用不安が起きたものの、米証券との連携を含めた事業強化に変更はないと明言した。現地の銀行買収にはメリットは感じないとしつつ、売りに出される事業の研究はしていると話した。

米国事業について「リスクとチャンスと両方あるが、stayaway(近寄らない)ではない」と語った。同行は、米証券大手ジェフリーズ・ファイナンシャル・グループとの連携強化を進めている。三井住友フィナンシャルグループの太田純社長は昨年12月のインタビューで、個人的希望として、ジェフリーズへの出資比率を引き上げ、持ち分法適用会社化したい考えを示している。

福留頭取によると、信用不安を巡り混乱する米国で流動性供給やさまざまなソリューションのニーズも出てきており、新たな取引機会がみられるという。「(日本の銀行が)伝統的に安定していると見てもらっていると、今回改めて思った」と述べた。

米国での事業買収の可能性については「チームを強化したいというニーズに合致するもので売りに出るチームやアセットがあれば、その都度、必ず研究している」と意欲を示した。

<アジア、能動的に投資先探す>

海外事業では、米国以上にアジアでの深化、拡大を進めている。アジアはインドネシア、フィリピン、ベトナム、インドの4カ国で橋頭堡を築いている。

福留頭取は「第2、第3のフルバンキングをアジアの成長市場で作りたいと思っており、まだまだ足りないピースがある」とし、「機会があれば米国よりはより能動的に投資先を探していく」と述べた。今後は、これまでの投資の回収とさらなる投資を両立して進める方針だ。

福留頭取は、ロンドンや上海などの海外勤務歴があり、トヨタへの転籍を経て、4月1日に頭取に就任した。三井住友銀行で旧三井銀行出身者が頭取に就くのは初めてのこと。

海外勤務の中で、アジア金融危機を香港で、リーマン・ショックをニューヨークで経験した。シリコンバレー銀行(SVB)の破綻やクレディスイスの経営不安を受け「デジャブだ」という。

当時と比べて、金融機関は資本を厚く積み、コストを払って流動性危機対応を行っていると指摘。中央銀行間の連携もあり「非常にレジリエント(柔軟性がある)になっているし、セーフティーネットも相当厚い」とする一方で、マーケットの動向には注意を払う姿勢も示した。

*インタビューは3月22日に実施しました。

Reuters Copyright (C) 2026 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。