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「最も脆弱な米銀」から昨年以降に預金1兆ドルが流出=JPモルガン

JPモルガン・チェースのアナリストチームは3月22日のノートで、昨年以降で「最も脆弱な米国の銀行」から預金が約1兆ドル流出した公算が大きく、その半分はシリコンバレー銀行(SVB)の経営破綻後に発生しているとの試算を示した写真は同銀のロゴとイメージ。19日撮影(2023年 ロイター/Dado Ruvic)
[ニューヨーク 23日 ロイター] - JPモルガン・チェースのアナリストチームは22日のノートで、昨年以降で「最も脆弱な米国の銀行」から預金が約1兆ドル流出した公算が大きく、その半分はシリコンバレー銀行(SVB)の経営破綻後に発生しているとの試算を示した。流出した預金の半分はマネー・マーケット・ファンド(MMF)、残りの半分は大手行に流入したという。
ニコラオス・パニギルツォグロウ氏が率いる同チームは、「最も脆弱な米銀」に該当する個別行の名前や具体的な数は明らかにしていない。
ただ「預金流出が生み出した不透明感から、銀行が融資に対してより慎重になりかねない。このリスクは、米国の銀行融資において中小行がその規模以上に大きな役割を果たしているという事実によって高められている」と警告した。
また同チームは「米連邦準備理事会(FRB)の利上げが別の経路を通じて預金流出をもたらしている」と指摘。銀行の保有国債の含み損が膨らむ中で、保護対象でない預金をそうした銀行に置き続けることに預金者が不安になったと分析している。
同チームによると、全米で17兆ドルに上る銀行預金のうち、7兆ドル近くは連邦預金保険公社(FDIC)の保護対象になっていない。