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米FRB資金供給、高水準の利用続く 金融システム不安で

シリコンバレー銀行とシグネチャー・バンクの経営破綻を受け金融システム不安が続く中、米連邦準備理事会(FRB)の金融機関への資金供給制度の利用額が高止まりしている。2019年3月撮影(2023年 ロイター/Leah Millis)
[ニューヨーク 23日 ロイター] - シリコンバレー銀行とシグネチャー・バンクの経営破綻を受け金融システム不安が続く中、米連邦準備理事会(FRB)の金融機関への資金供給制度の利用額が高止まりしている。
23日に発表されたFRBのデータによると、連銀窓口貸出(ディスカウント・ウインドウ)の利用額は22日までの1週間で1102億ドルとなった。15日までの週に記録した過去最高の1529億ドルからは減少したものの、依然として高水準が続いている。
一方、FRBが新設した銀行ターム・ファンディング・プログラム(BTFP)の利用額は537億ドルに急増した。先週時点では119億ドルだった。
BTFPは米国債や住宅ローン担保証券(MBS)など適格担保を額面で評価して最長1年の貸し出しを行う制度。FRBの利上げによって時価が減額しても、銀行がFRBから借りられる金額が減ることはない。
アナリストは、連銀窓口貸出からBTFPへの移行が見られると予想していた。TD証券は23日、両貸し出し制度を合わせて考えると「比較的横ばいの利用状況は銀行がすでに十分な資金を借り入れ、よりコスト的に有利なBTFP制度に移行していることを示唆している」と述べた。
FRBによる海外の中央銀行や金融当局への貸し出しも、15日時点のゼロから22日には600億ドルに達した。複数の主要中銀は最近、必要に応じてFRBからドル資金の供給を受けると発表した。
ジェフリーズのアナリストはリポートで「クレディ・スイスとUBSの合併を受けて海外、特に欧州からのドル流動性への需要が急増したようだ」と指摘した。
貸し出し増加により、FRBのバランスシート全体の規模は前週の8兆7000億ドルから8兆8000億ドルに拡大した。
破綻した銀行に対処する連邦預金保険公社(FDIC)への貸し出しも1428億ドルから1798億ドルに増加した。