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日経平均反落、UBSのクレディ・スイス買収でも懸念根強く

2023年03月20日(月)15時46分

 20日の東京株式市場で日経平均は反落し、前営業日比388円12銭安の2万6945円67銭で取引を終えた。写真は東京証券取引所の建物。2020年10月撮影(2022年 ロイター/Issei Kato)

[東京 20日 ロイター] - 20日の東京株式市場で日経平均は反落し、前営業日比388円12銭安の2万6945円67銭で取引を終えた。取引開始前にUBSによるクレディ・スイス買収や、日米欧の中銀によるドル資金供給の拡充が伝わり、欧米の金融システムに対する過度な不安は和らいだ。ただ、投資家の警戒感は根強かった。円高も重しとなって幅広い銘柄が売られ、下げ幅を徐々に拡大する展開となった。

日経平均は前営業日比80円安でスタート。一時下げ幅を縮小してプラスに転じる場面もあったが、その後は次第に水準を切り下げた。東証プライム市場の値下がり銘柄は9割を超え、東証33業種のすべてが下落。ほぼ全面安の商状となり、安値で引けた。

銀行株は朝方に小高かったが、その後はマイナスに沈んだ。ドル/円が円高に振れ、自動車などの輸出関連株を中心に重しとなった。市場では過度な警戒感は後退したが「不安が払拭されたわけではない。米景気への懸念もくすぶる」(国内証券のストラテジスト)との声が聞かれた。

東京市場はあすが休場となる。22日には米連邦公開市場委員会(FOMC)の結果発表や米連邦準備理事会(FRB)議長会見を控えており、午後にかけて模様眺めが強まった。朝方に小高く推移していた米株先物がマイナスに転じる中、日経平均は下げ幅を拡大。今週からの新規株式公開(IPO)ラッシュを前に、投資家による換金売りが重しになったとの見方もあった。

FOMCでは0.25%の利上げやターミナルレート(利上げの最終到達点)引き上げなどの織り込みが進んでいるが「内容もさることながら市場の反応が重要となる。事前の決め打ちは難しい」(証券ジャパンの大谷正之調査情報部部長)との声が聞かれた。

当局による矢継ぎ早の対応で金融システム不安は和らいできていることから、FOMCを通過した後は「米銀の追加的な経営破綻など新たなリスク要因が浮上しなければ、相場は次第に落ち着きを取り戻していくだろう」(大谷氏)とみられている。

TOPIXは1.54%安の1929.3ポイント、東証プライム市場指数は前営業日比1.54%安の992.66ポイントで取引を終了した。プライム市場の売買代金は2兆9764億4200万円だった。東証33業種は、すべてが下落し。値下がり率上位には海運業や倉庫・運輸関連業、不動産業が並んだ。

みずほFGや東京エレクトロンが軟調。川崎汽船は売られた。一方、好業績が引き続き好感されたサンリオが昨年来高値を更新。日本電産や荏原製作所は堅調だった。

東証プライム市場の騰落数は、値上がりが93銘柄(5%)、値下がりは1723銘柄(93%)、変わらずは20銘柄(1%)だった。

*記事の体裁を整えて再送します

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